以前から一度食べてみたいと思っていた、ラーメン屋のお蕎麦。
しかも十割で粗挽き、手打ちで打たれているそう。
頼まれ所用で訪れた昼過ぎの荻窪、ふと思い出し立ち寄って見る事に 。
荻窪駅北口、青梅街道から入った全くの住宅街の中に、
ふと辿り着く、周りの風景に融け込んだ、すっきりとしたビルの1階。
創業昭和6年、現存する最古の東京ラーメンだとか…
荻窪 「生粉打ち蕎麦・中華 春木家本店」
扉を開き入ると、清潔感のあるきちんと整頓された店内。
窓際にはゆったりとした小上がりに、何卓かのテーブルが置かれ、
真ん中には大テーブルが鎮座し、背もたれの高い椅子がずらりと並ぶ。
その横に、4人掛けのテーブルが2卓。
すでに2時も過ぎたどっぷりの昼下がり。
他にお客さんのない店内は、しんっした空気が流れ、
すぐに気さくな女将さんの「どうぞ~」と迎えてくれる笑顔がうれしい。
薦められた壁際のテーブルを選んで、腰を下ろしながら、
「あの…、何時までですか?」とお聞きすると、
「あ、ずうっとやってるから、ゆっくりしていって下さいね(^^)」
の言葉に、疲れた体と心が癒されるよう 。
出されたお水を口にし、早速置かれた品書きを開くと、
うんうん、まずは「ラーメン」のいくつかの品書きがあり、
続いてお蕎麦の品書き、これが思ったよりも豊富に揃う。
も、もしかして…、ラーメンの品書きより多いんじゃっっ 。
さらに、ご飯ものの品書きも、ラーメン屋のご飯ものというよりは、
「天丼」やら「カツ丼」」「親子丼」など、蕎麦屋の丼のお品書き。
何だか、これは妙で謎で不思議、改めて興味がむくむく。
しかも、「おつまみ」も揃い、「升酒」なんぞもあるとなれば…
そう、私は蕎麦を食べに来たんだもの、
やっぱり、頂いちゃおうとお願いした蕎麦前に熱燗一合。
「熱さ加減、いいかしら?」の言葉もうれしく、
ちょこっとお新香が添えられているのもうれしい限り。
となったら、何かおつまみも頼んでみようか…
と、せっかくなので、蕎麦屋にはまずない「ネギメンマ」。
口当たり優しい、「白鶴」の熱燗が、しみじみとして美味しく、
柔らかく優しいメンマは竹の子の風味があり、後味がちょっとぴり辛。
食べられるかな…と思っていたのに、妙に後引く美味しさで、
ゆっくりと熱燗を口にしながら、ぽつぽつと頂いていると、
すっと入ってきた男女のカップル。
頼むメニューに聞き耳を立てていると、そりゃあそうか…
「五目中華蕎麦大盛り」に、「タンメン」のよう。
横を通り過ぎ運ばれて行く、そのラーメンの匂いがいい匂い 。
二人とも美味しそ~うに、食べている様子に、急に空腹が刺激され、
私も、お目当ての「粗挽き十割蕎麦」をつられるように注文~。
頼むとまずは、猪口に薬味が置かれ…
続いて置かれる、陶器に盛られた、透け透明な繊細な蕎麦。
こ、これは…、想像とは異なる、なんて儚げな優美な蕎麦 。
かなり細めに断たれた蕎麦は、伸びやかできりりと横たわり、
その中に、ほのかに見え隠れする、微粉のような蕎麦の星。
手繰り上げれば、ほのかではあるがきちんと蕎麦の香りが漂い、
口に含むと、ぷるるんっとした弾力ある心地のいい腰が唇をくすぐる。
噛みしめれば、しゃきっとして跳ね返ってくる躍動感があり、
ぷつんっと切れ、するりっとあっという間の喉を落ちる。
しかもこの感触…、新橋「ひろ作」の蕎麦にどこか似ている…?
と手繰っていくうちに、次第に甘みが広がって行き、
そっと汁を口にすると、これが又とても美味しい 。
質のいい鰹の風味が、ふわりとまず口に広がり、
キレのある醤油の風味がそれをゆっくりと優しく包む。
蕎麦をはらりと浸してみれば、これがばっちり。
この儚い蕎麦をぐっと支え、旨みとなって口で溶けあう。
汁をそっと浸した蕎麦の旨さに、後はもう夢中~
気付いたら、山葵も辛味大根おろしを添えるのも忘れてた。
頃合い見て、「よく振ってね、蕎麦の味がするから(^^)」
と出されたポットの蕎麦湯を注ぎ入れれば、
程良く白濁して熱々の蕎麦湯。
余韻に浸りながら、改めてこの汁の旨さをじっくり堪能
お勘定をしようと席を立つと、
「お口に合いました?」と女将さん。
蕎麦も汁も美味しかった、と答えた私に、あれこれ話しなどまでも。
もともとの始め、初代はお蕎麦屋さんだったそうで、
「戦後の物が無い時に、ラーメンを始めてねえ…」と、
汁もこの「粗挽き十割」は合うように別に作られているそう。
「もしよかったら、今度うちのラーメンも食べて見て(^^)」
と、人情味溢れた暖かな言葉に、何だかすっかり親しみを感じてしまう。
ご馳走様でした~
ラーメン屋での蕎麦も楽しや、今度は種物も食べてみたいな。
いや…、今度は中華そば、も食べて見ようかな…

「生粉打ち蕎麦・中華 春木家本店」
杉並区天沼2-5-24
11:00~21:00
(出前11:00~20:00)
木曜定休
禁煙(だと思う)
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(私は、ラーメン食べてみます^^)
確かに、お勘定の時に女将さんが、唐突になり行きをお話ししてくれて、戦後、物が無い時に(蕎麦粉が手に入らない時に)、ラーメンお駅前で屋台で始めたんだそうです。
それから、ずっとラーメンもやっているとのお話しで…
(本店じゃなく、屋、の方とは、「今は」全く関係ないとおっしゃっていました)
現存する…、云々は、店内ポスターに書いてあったんです。でも、そういうのって分からないですよね(^^;
が、蕎麦も良さそうですね。
ただ、元々は蕎麦店なので、創業当時からラーメンを出していたのかは未確認。
現存する最古、という表現はグレーかも?
(あれは、録画なんですもんね)
早く治して、あちこち歩いてもらいたいです、私も…。
心臓悪いって言われて入院ですって
まだまだ若いんだから早く治して
また散歩して欲しいものです
ぜひぜひ、行ってみて下さい。
中休みなし、というのも、うれしいお店です(^^)。
本むら庵と悩んだんですが、この日は火曜日だったので、こちらに来てみたんです(^^)。
ここのラーメンも気になります♪
あの汁を作るご主人の、だったら…
と、今ラーメンもとても気になっています。
食べてみますね♪
だったら心配…。
井之頭氏は、食べすぎですよー(^^;。
豚カツの後に、ニンニク焼き肉でしたっけ?
私にはできないけど、井之頭氏なら、やってるでしょうね(^^)
サイドメニューも明らかに蕎麦屋の名残のラインナップ。
それでいて、炙りチャーシューとか、角煮あんかけなどのラーメン屋系の品もプラス。
これは、行ってみたいです。
ここの(本店のほう)のラーメン食べてみたいと思ってたんですー☆
でも「本むら庵」でお新香・樽酒のyukaさんも、少し離れた席から見てたいなあ♪
以上「森のス○ーカーたぬき」でした♪
一見蕎麦屋とラーメン屋二軒の
お店が並んでるように見えて
入口が違うだけで中に入ると
結局同じ店内に入っちゃうお店を
思い出してしまった
ちいさんの健康状態気になりますな
快癒を祈ります
あの番組楽しみなので
後、孤独のグルメの井之頭五郎氏ならば
気になったら即座に頼むんでしょうね
「あ、追加いいですか、ラーメンお願いします後ライスも」
って
あんなに食えないよって思う
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