上北沢 「おの」 残念な事に閉店…
2009/06/29/22:32
[東京の蕎麦]世田谷区
午前中の仙川での所用が終わったのが、1時半。
今から急いで向かえば何とか間に合うかも…、と、開店早々に伺ったままで、ずっと気になっていたお店に急ぎ寄ってみる事に
。

上北沢南口、春にはさぞ美しいだろう桜並木入ってすぐの通り沿いに、暖簾がすっと降ろされたしっとりとした佇まい。
前にはためく幟には、「石挽」の文字がしっかりと書かれてる。
上北沢 「手打そば おの」
今から急いで向かえば何とか間に合うかも…、と、開店早々に伺ったままで、ずっと気になっていたお店に急ぎ寄ってみる事に


上北沢南口、春にはさぞ美しいだろう桜並木入ってすぐの通り沿いに、暖簾がすっと降ろされたしっとりとした佇まい。
前にはためく幟には、「石挽」の文字がしっかりと書かれてる。
上北沢 「手打そば おの」
すでに2時になろうとする昼下がり。
暖簾をくぐり入った店内は、以前の記憶のまま、すっと落とされた照明の和モダンなインテリアでまとめられた素敵な空間。
大テーブルには、常連と見られる方が静かにお蕎麦を頂いている中、
「お好きなところにどうぞ~」
と暖かな声に出迎えられ、今日も又、窓に向かって置かれたゆったりとしたテーブル席に腰を下ろす。
中でも気になったのが、天ぷらにミニ板わさ、ミニ出し巻きのつく「並木膳」。
いかにも、昼酒を頂くのにしつられ向きな内容に頼んでみたかったのだが・…、
既に2時を過ぎてしまったので、これは諦め、「掻き揚げとそば」をお願いする事に。
が、せっかく久しぶりに訪れたお店、やっぱりちょっとだけ頂きたい
と、お蕎麦を後で出してもらうようお願いして、、「東北泉」をお願いする事に。

程なくして、このお店の雰囲気によく似合う、ほっこりとした酒器に猪口、それに揚げ蕎麦が添えて出される。
と見ていると、程なくしてランチの「海老入り玉ねぎの掻き揚げ」が出される。

食べやすくカットして出された掻き揚げは、桜海老がたっぷり。
さっくりと軽やかに揚げられており、桜海老の香ばしさに玉ねぎの甘みがとろりとして、美味しい掻き揚げ。
これで、お酒をゆっくりと頂き…、そろそろお蕎麦を頂こう。
と、ふと、品書きにあった「粗引きにもできます」の文字が気になり、品書きを開くと、
程なくして出されたお蕎麦は、長方形の蒸篭に盛られ、デザートのプリンが添えて出される。

蕎麦は以前より、さらに角がきりっと立ち、やや太めになっている。
ん?でも、これ、写真とはちょっと違うような…
と思ったが、手繰り上げた蕎麦は、ふくよかな穀物の香りがぷ~んと立ち、口に含むとしっかりとした腰が心地いい。

良く見ると、丸抜きの蕎麦の粒も浮き出ていて、これが粗引きって事なのかな?

などと思い、かみ締めると次第に広がっていく蕎麦の風味。
これは、以前よりずっと美味しくなっている
、とうれしく手繰ってしまう。
…と、頃合見てくれて、ご主人が蕎麦湯を持ってきて下さったので、
「これが、この『野州粗引き』なんですか?」
と、思わずお聞きすると、
「えっ?粗引きだったんですかっっ??す、すみません、今、お作りします!」
とおっしゃるではないの。
成るほど、これは「せいろ」だったのか…。
と納得しながら、「せいろ」に十分満足したので、遠慮しようと思ったが、せっかくのご主人のご好意、うれしくお受けし、少しだけ粗引きを頂く事に。
程なくして、出された粗引き蕎麦は笊に盛られて出される。

お、これぞ、確かに粗引き。
玄蕎麦から挽いたという蕎麦は、やや太めの透明感あるグレーの蕎麦。
その中に、蕎麦の欠片がびっしりと埋め込まれている。

手繰り上げると、「せいろ」の丸みのある香りと異なり、深みのある香ばしさ。

口に含むと、これがしっかりとした腰。
つなぎを二割入れて打たれているとの事で、ごわごわとした感じがなく食べやすい。
これを噛み締め、噛み締め頂いていると、次第にじわじわと穀物の風味が広がり、これは美味しい
。
弾力ある力強さ、これは暖かいつけ汁ででも頂いてみたい、などとも。
すっか~りお腹もいっぱいになり、改めて蕎麦湯を頂こうと注ぎいれると、しっかりと白濁したまろやかな蕎麦湯。

口当たりやわらかく滑らかな蕎麦湯が美味しい…と、頂いていると、他にお客さんもなくなった事もあり、ご主人としばしお話
。
開店してすでに2年経ちました…、の言葉に月日の速さをしみじみと感じる。
「ようやく、大分手が回るようになって…」
と、優しい笑顔で語るご主人。
粗引き蕎麦は、親戚の方が栃木(野州)で蕎麦を作っているそうで、その蕎麦を殻ごと取り寄せ、ここで挽いているのだそう。
「ランチメニューや、夜のメニュー、これいいですね♪」
と言うと、
「自分がお店に入って、あったらいいなぁ、と思うものを作ってみたんです」
とおっしゃる。
続けて、「私もお酒、好きなものでして・・・」
と、ちょっとはにかむご主人は、以前あった、どこか頼りなさそうな所など全くなく、自信のようなものを感じられる。

何だか、とてもうれしい気持ちになりながら、ゆっくりと頂いた、「蕎麦茶プリン」。
香ばしい蕎麦の風味のする、プルンと柔らかいプリンがさらに美味しく感じるよう。

素敵なお店になったなぁ…と、しみじみと思いながら、
ご馳走様でした~
寄ってみてよかった…。
又、訪れて、今度はゆっくりと「並木膳」を頂きに来よう~
*お品書き
せいろ、野州粗引き、かけ 750円、しらすおろし 900円、とろろ 1,000円、野菜天ざる 1,150円、天せいろ 1,350円、鴨ざる 1,550円、薄もり 500円、玉子とじ 900円、花まき 950円、山かけ 1,000円、鴨南蛮 1,550円、ランチ 1,000円、夜のそばセット 1,500円など
自家製豆腐 300円、焼き味噌 400円、板わさ、烏賊の沖漬け、茄子土佐煮、蕎麦屋のサラダ 550円、汲み上げ湯葉 650円、天ぬき 700円、揚げ湯葉、蕎麦前三種盛り、出し巻き 750円、そばがき、地鶏焼き 800円、合鴨ロース 850円、鴨焼き 950円など
稲田姫、澤姫、小左衛門、東北泉、愛の澤、王録、たまか 500円~800円

「手打そば おの」
世田谷区上北沢3-18-10
03-5317-8381
11:30~14:30 / 17:30~21:30
水曜、第3火曜日定休
禁煙
過去訪問
2007年10月22日 「天ぬき」と「しらすおろし」
暖簾をくぐり入った店内は、以前の記憶のまま、すっと落とされた照明の和モダンなインテリアでまとめられた素敵な空間。
大テーブルには、常連と見られる方が静かにお蕎麦を頂いている中、
「お好きなところにどうぞ~」
と暖かな声に出迎えられ、今日も又、窓に向かって置かれたゆったりとしたテーブル席に腰を下ろす。
すぐに出してくださった蕎麦茶を頂きながら、まずは品書きを吟味を。
と手にすると一番上に置かれているのは、以前はなかった「ランチメニュー」。
「掻き揚げと蕎麦」、「ちょい鴨せいろ」や「ミニ天丼と蕎麦」
などリーズナブルに書かれて、これはいいなぁ~。
中でも気になったのが、天ぷらにミニ板わさ、ミニ出し巻きのつく「並木膳」。
いかにも、昼酒を頂くのにしつられ向きな内容に頼んでみたかったのだが・…、
既に2時を過ぎてしまったので、これは諦め、「掻き揚げとそば」をお願いする事に。
が、せっかく久しぶりに訪れたお店、やっぱりちょっとだけ頂きたい

と、お蕎麦を後で出してもらうようお願いして、、「東北泉」をお願いする事に。

程なくして、このお店の雰囲気によく似合う、ほっこりとした酒器に猪口、それに揚げ蕎麦が添えて出される。
すっきりとしたお酒に、揚げ蕎麦を食べながら、
何気なく他の品書きも見ようと、改めて見ていると…、
夜のメニューには、これもうれし~い、お料理にお酒、それに蕎麦というセットまで。
こんなお店が、近くにあったらいいな~…と、心底思ってしまう。
と見ていると、程なくしてランチの「海老入り玉ねぎの掻き揚げ」が出される。

食べやすくカットして出された掻き揚げは、桜海老がたっぷり。
さっくりと軽やかに揚げられており、桜海老の香ばしさに玉ねぎの甘みがとろりとして、美味しい掻き揚げ。
これで、お酒をゆっくりと頂き…、そろそろお蕎麦を頂こう。
と、ふと、品書きにあった「粗引きにもできます」の文字が気になり、品書きを開くと、
蕎麦も又、以前にはなかった、「野州粗引きそば」の文字 。
これは、是非とも頂いてみたいと、こちらでお願いする事に。
程なくして出されたお蕎麦は、長方形の蒸篭に盛られ、デザートのプリンが添えて出される。

蕎麦は以前より、さらに角がきりっと立ち、やや太めになっている。
ん?でも、これ、写真とはちょっと違うような…

と思ったが、手繰り上げた蕎麦は、ふくよかな穀物の香りがぷ~んと立ち、口に含むとしっかりとした腰が心地いい。

良く見ると、丸抜きの蕎麦の粒も浮き出ていて、これが粗引きって事なのかな?

などと思い、かみ締めると次第に広がっていく蕎麦の風味。
これは、以前よりずっと美味しくなっている

…と、頃合見てくれて、ご主人が蕎麦湯を持ってきて下さったので、
「これが、この『野州粗引き』なんですか?」
と、思わずお聞きすると、
「えっ?粗引きだったんですかっっ??す、すみません、今、お作りします!」
とおっしゃるではないの。
成るほど、これは「せいろ」だったのか…。
と納得しながら、「せいろ」に十分満足したので、遠慮しようと思ったが、せっかくのご主人のご好意、うれしくお受けし、少しだけ粗引きを頂く事に。
程なくして、出された粗引き蕎麦は笊に盛られて出される。

お、これぞ、確かに粗引き。
玄蕎麦から挽いたという蕎麦は、やや太めの透明感あるグレーの蕎麦。
その中に、蕎麦の欠片がびっしりと埋め込まれている。

手繰り上げると、「せいろ」の丸みのある香りと異なり、深みのある香ばしさ。

口に含むと、これがしっかりとした腰。
つなぎを二割入れて打たれているとの事で、ごわごわとした感じがなく食べやすい。
これを噛み締め、噛み締め頂いていると、次第にじわじわと穀物の風味が広がり、これは美味しい

弾力ある力強さ、これは暖かいつけ汁ででも頂いてみたい、などとも。
すっか~りお腹もいっぱいになり、改めて蕎麦湯を頂こうと注ぎいれると、しっかりと白濁したまろやかな蕎麦湯。

口当たりやわらかく滑らかな蕎麦湯が美味しい…と、頂いていると、他にお客さんもなくなった事もあり、ご主人としばしお話

開店してすでに2年経ちました…、の言葉に月日の速さをしみじみと感じる。
「ようやく、大分手が回るようになって…」
と、優しい笑顔で語るご主人。
粗引き蕎麦は、親戚の方が栃木(野州)で蕎麦を作っているそうで、その蕎麦を殻ごと取り寄せ、ここで挽いているのだそう。
「ランチメニューや、夜のメニュー、これいいですね♪」
と言うと、
「自分がお店に入って、あったらいいなぁ、と思うものを作ってみたんです」
とおっしゃる。
続けて、「私もお酒、好きなものでして・・・」
と、ちょっとはにかむご主人は、以前あった、どこか頼りなさそうな所など全くなく、自信のようなものを感じられる。

何だか、とてもうれしい気持ちになりながら、ゆっくりと頂いた、「蕎麦茶プリン」。
香ばしい蕎麦の風味のする、プルンと柔らかいプリンがさらに美味しく感じるよう。

素敵なお店になったなぁ…と、しみじみと思いながら、
ご馳走様でした~

寄ってみてよかった…。
又、訪れて、今度はゆっくりと「並木膳」を頂きに来よう~

*お品書き
せいろ、野州粗引き、かけ 750円、しらすおろし 900円、とろろ 1,000円、野菜天ざる 1,150円、天せいろ 1,350円、鴨ざる 1,550円、薄もり 500円、玉子とじ 900円、花まき 950円、山かけ 1,000円、鴨南蛮 1,550円、ランチ 1,000円、夜のそばセット 1,500円など
自家製豆腐 300円、焼き味噌 400円、板わさ、烏賊の沖漬け、茄子土佐煮、蕎麦屋のサラダ 550円、汲み上げ湯葉 650円、天ぬき 700円、揚げ湯葉、蕎麦前三種盛り、出し巻き 750円、そばがき、地鶏焼き 800円、合鴨ロース 850円、鴨焼き 950円など
稲田姫、澤姫、小左衛門、東北泉、愛の澤、王録、たまか 500円~800円

「手打そば おの」
世田谷区上北沢3-18-10
03-5317-8381
11:30~14:30 / 17:30~21:30
水曜、第3火曜日定休
禁煙
過去訪問
2007年10月22日 「天ぬき」と「しらすおろし」
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