御徒町 「沙羅の花」 残念ながら閉店
2009/10/22/22:35
[東京の蕎麦]台東区
とても心に残っていて、もう一度行きたい、と思いが募り、ちょっと前に伺った時には、運悪くお休み。
さらに、又行きたいなぁ、という気持ちが高まって…。
朝方の花活けの仕事を済ませ、丁度近くに所用もあった今日、
久しぶりに訪れてみる事に


様々なお店が入り混じった雑多な町、御徒町。
その中で、そこだけ切りぬかれ、違う風がそよいでいるような、
禅味感じるお店がさりげなく佇む。
御徒町 「そばきり 沙羅の花」
白木で造られたカウンターの中から、にこにこと変わらぬ優しい笑顔のご主人が出迎えてくれ、靴を脱いで店内へ…。
以前伺った時の、「おまかせ」でたっぷりとご主人のお料理を堪能させてもらった事が脳裏をよぎり、まずはお勧めのお酒を。
いくつかあったお酒の中から頂いたのは、宮城のお酒「橘屋」雄町 山廃。
ふっとフルーティーな風味が広がり、その後で旨みが膨らむ美味し~いお酒。
これをそっと口に含んでいると、出されたスプーンを添えた柚子の実。
上の蓋を開けてみたら…、ま、まるで宝石っっ
と思ってしまう、きらきら輝く美しいいくらがぎっしり。
そっとスプーンですくい、口に含むと…
お、美味しい~
プツンっと弾けるいくらから、すぅ~っと染み出るエキスのなんて澄んだ味わい。
上品で、清らかなる素の味わいに、思わずはっとするような美味しさ。
さすが…、長年日本料理にも携わっていた主人の腕前が、凝縮して伺える。
これにお酒がたまらなく、ゆっくりじっくりと味わい・・・
ここで初めて品書きを見たのだが、もう他にお料理はいらない程に満喫し、
久しぶりのご主人のお蕎麦を頂こうと、「せいろう」を注文。
まずは、もり汁が出され、程なく出された「せいろう」は、
平たい一枚板に、川の流れのように盛られて出される。
福井の蕎麦に拘り、自家製粉し十割で打たれた蕎麦は、
角がきりっと立ち、ところどころに蕎麦の欠片の混じった端正な細切り。
顔を寄せると、強くはないがふわりと漂う。清々しいような蕎麦の香り。
口に含むと、しゃきっとした腰がありながら、しなやかで、
噛みしめるとゆっくりと蕎麦の風味が広がってくる。
するりと落ちる喉越しの良さ、以前のやや硬質な感じが取れ、
優しさと味わいが携わり、上品さのある美味しい蕎麦。
しかも、汁が美味しい!
それぞれの素材が飛び出る事がなく、うまく調和し馴染んだ奥の深さ。
すっきりとしてまろやかで、この汁をちょこっと浸し頂くと、蕎麦の風味がぐんと増す。
思わず食べるのを忘れてしまいそうになってしまった、
蕎麦と一緒に出された、これもうれしいサービス「茄子の素揚げ」。
さっと塩をまぶされているのだろうか…
とろりとした茄子がとても甘い。
蕎麦湯は、きちんと蕎麦の食べ終えるのを見て出してくれるのもうれしく、
まろやかに白濁した、コクのある美味しさ。
これで、このもり汁を頂いたら…、もう至福の心地
前に来た事を覚えて下さっていて、ぽつりぽつりとお話して下さったのもうれしく、
「そろそろ、鍋も始まりますので、又ぜひ…」
とおっしゃって下さった言葉に、心温かく感じながらお店を後に。
ご馳走様でした~

又是非訪れ、今度は思い切りご主人のお料理を堪能し、
今度は…、温蕎麦も頂いてみたい、な~…

「そばきり 沙羅の花」
台東区上野6-3-12
03-5948-6527
12:00~14:00 / 18:00~21:00
月曜定休 禁煙
お店のHP
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