寒さにはめっぽう弱いけど、暑さは結構平気だと思っていたのだが、
流石に今年のこの暑さに、夏バテしたのか、食欲があまりなく…
こんな時こそ、あのお蕎麦、と…
殺風景な目白通り沿いに、ひっそりとさりげなく佇む、
素材からすべてにおいて拘りをしかと持った、気鋭のお店。
江古田 「手打蕎麦 じゆうさん」
お昼をちょっと過ぎた1時過ぎ、扉を開き入ると、
先客一人のみのゆるりとした心地のいい空気流れる中、
「暑いはね~」と、にっこり迎えてくれる女将さん。
汗をぬぐいつつ、空いていたカウンターに腰を下ろし、早速手にするお品書き。
何日か前に、ご主人のブログで始まった、と書いてはあったけど…
今日は、「あれ」が目当てで来たので、ちょっと心配しつつ目を通すと、
あるあるあるある、盛夏限定、初めて食べた時からクギづになった
「梅おろし」。
と、安心したところで…、このしっとりとした素敵な空間をしばし楽しみたく、
「おすすめ」の中から、「喜久酔」を。
程なく、陶器の片口に注がれ、ご主人デザインのグラスが出され…
注いでいる間に、うれしい充てが出される。
自家製の「山葵漬け」。
とろ~りクリーミィー、山葵がしゃきっと歯に当たる、絶品の「山葵漬」。
それに…、「たたき海苔」とちょっと迷ったのだが…、
「扇屋」の極上豆腐が食べたくて、頼んだお気に入りの「お豆腐」。
上にこんもりと盛られた湯葉は、歯ごたえがあり濃厚な味わいで、
しっかりとした豆腐は、口に含むとじわじわと広がる大豆の甘み。
ああ、やっぱり、この湯葉に豆腐は美味しい…
と、すっきりとした口辺りの「喜久酔」をしみじみ味わっていると、
一人、二人、又お二人…と、ちょこちょこと訪れてくる心地のいい人の流れ。
途中、気になったのが、隣に座ったお客さんが頼んだ「ひやにしん」。
んっ、これも、とっても美味しそう…。
などと煩悩膨らませつつ、私もお願いするお目当ての「梅おろし」。
そうそう、これこれっ、待ちにまっていたこの姿
見るからに涼しげな、自家製梅干しを出汁で覆った、氷玉。
その回りを覆う冷かけ汁は、きんっとして清らかな琥珀色。
それに浮かぶ、鬼おろしに、たっぷり散らされた茗荷の千切り。
まずは、汁をスプーンですくい口に含むと…、
ああ、やっぱり、「じゆうさん」のこの汁、これは美味しい~
奥行き深いいくつもの出汁が絶妙な調和をなす、極上のかけ汁。
薄過ぎず、濃過ぎず、じわ~っと体に染み入り、しばし何度かすくい味わい…
そうろりと手繰り上げる蕎麦は、端正に断たれた細切りの蕎麦。
これが…!なんって、もっちもっちとした心地のいい感触。
まるで、もち米を延ばし断たれたかのような、この歯ごたえ。
冷かけにするとぱきぱきっとした感触が多いのだが、このもちもち感…
と、お聞きすると、山形で栽培された新潟の「とよむすめ」という蕎麦だそう。
噛みしめるのが楽しい、このもちもち感がたまらなく…
おにおろしに、茗荷と共にほうばる蕎麦が、又旨いっ。
そして、いよいよ、氷梅をスプーンで、崩し、
じわじわと溶けて行くのを楽しむ、これとない楽しみ
溶けて行きながら、じんわりと梅の風味が溶け染み広がるり、
さらに、じわじわと汁がさらに冷えてくる、この楽しみ。
しかも、今年の梅干し、これが又美味しい…
優しくまろやかな梅の酸味が実に上品で、
それが、じわじわこの汁に染みていくのだから、これは、もう…。
手繰りあげ見る蕎麦が、あんまり美しくて、思わずうっとり。
頃合い見て出して下さる蕎麦湯は、熱々でとろ~り。
そのまま飲んでも、蕎麦の風味が濃く、ああ、美味しい…
と、これもたっぷりと頂き、余韻に浸って行くうちに、
なんだか、体もしゃきっとすっかり元気になった気分。
ご馳走様でした~
やはり、夏にこの「梅おろし」は欠かせない…と心底感じつつ、
又ひとつ気になる「ひやしにしん」、これも食べてみたいな。
*お品書き
せいろ 787円、田舎そば 997円、おろし蕎麦 1,050円、とろろ 1,050円、天せいろ 1,890円、かけ 787円、天ぷらそば 1,890円など、
玉子焼き、豆腐、焼きみそ、ぜんまい 各525円、板わさ 735円、棒にしん945円、牛すじ 630円、鰊と椎茸の旨煮 840円など
生ビール 525円、菊姫山廃 945円、喜久酔 1,280円、都願 1,890円など

十割蕎麦 手挽蕎麦
「手打蕎麦 じゆうさん」
中野区江原町3-1-4
03-3951-3397
11:00~14:30 / 17:00~21:00
月曜休 近くにコインPあり
禁煙
ご主人のブログ
2010年 4月15日 「かき菜のお浸し」、「葱鶏そば」
2009年 8月14日 極上「おとうふ」、夏限定「梅おろし」
2009年 5月23日 お料理をいろいろと、「手挽き田舎」を堪能
2008年 7月23日 絶品、「氷結梅冷し」
2007年 8月22日 五臓六腑に染みわたる 「氷結梅冷し」
2007年 5月 8日 「鰊煮」に「山葵漬け」、「十割せいろ」
2006年 7月 4日 片松葉で初訪問 「天麩羅」に「手挽きせいろ」
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そうだったんですね…。北海道に落ち着いたそうで、ちょっと遠いので寂しいです。
でも、いつか北海道に行く時には、いろいろと教えて下さい。
次に何をなさるのか、楽しみにしております。
目にも美しく、いつくしむように美味しいお蕎麦。
shinさんも、夏限定なので、これを是非・・(^^)。
3週間も経っていないのですが、こういう涼しげな蕎麦は魅力ですよね。
札幌は寒すぎ(^_^;)
器も素敵だし、スプーンとは面白い!
こういう蕎麦は江戸ですね。
それに盛夏に美しい梅おろし、ほんとにきれいです
こういうところ大事にしたいですね
これは、絶品ですよー。
それと、福島の「扇屋」のお豆腐、伊勢丹にならあるかもしれません。是非食べてもらいたいくらいの、美味豆腐です。
いいですなー
毎日が猛暑なので冷奴食べたくなった
お蕎麦に銀色のスプーンが
ビジュアル的に新鮮
汁がうまそう見ててどきどきしてしまうま
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