再び夏が戻ってきたかのような、燦々と太陽が照らす土曜日。
なのに、彼は休日出勤で、出かけて行ってしまったので…、
これはいいタイミング 。
ずっと行ってみたいと思っていた、休日だけのお蕎麦屋さん。
しかも、8月いっぱいお休みだったお店が、今日から営業再開。
と、なったら行くしかない♪、早速、井の頭線に乗り込み高井戸へ 。
駅下の、日差しに煌めき、うららかと流れる神田川。
その横の遊歩道にかかる橋を渡り、横の路地を入ると全くの住宅街。
家々の間の、ゆるい坂道をしばし登って行くと…、
こ、ここが…!、これは素敵
白壁に「休日や」の看板のかかった、シックな洋館に辿り着く。
アンティーク調の螺旋の階段の前には…、
かわいい少年が、ちょこんっと立って、お出迎え。
すっかり心弾むのを押さえながら、ゆっくりと階段を上がって行くと、
ああ、なんて素敵なお店なのかしら…。
高井戸 「蕎麦のあるcafe 休日や」
カランカラン~と鳴りそうな扉を開き入ると、
目の前に広がる、解放感溢れた、木の温もり溢れた明るい空間。
まるで、どこかの高原に建つ、ロッジのリビングルームにいるかのような…
高い天井には何本もの梁が巡らされた、山小屋風の店内に、
真ん中には、贅沢に置かれたゆったりとた丸テーブル。
奥には、個室仕立ての角席があり、
部屋の隅々にまで、ゆったりとした午後の空気が流れている。
と、見とれていると、笑顔で迎えてくれる花番さん。
一人であると告げると、壁に面したカウンター席に通されて…
腰を下ろすと、これが又、座っているだけで心地いい
すぐに出された冷たいお水を、一気にくぅ~っと飲みほして、
置かれていた品書きを手にし、ゆっくりと開く。
お蕎麦は、シンプルに「もりそば」のみ。
丸ぬきの中粗挽きにして打たれた、生粉打ちの「しろ」と、
玄蕎麦を殻ごと挽いた、粗挽きの、これも生粉うちの「くろ」の二つ。
しかも、どちらも既に北海道の新蕎麦だそうで…、
うーん、どっちも食べたいなあ、と早くも悩みつつ、
他に、cafeであるお店、二種類のガレットや、そのセット、
甘味や、珈琲などの喫茶店メニューが書かれている。が…、
よかった、小皿料理や、お酒もビールも揃ってる
ビールと少々迷ったが、「丸本農産酒造」の文字に興味が湧き、
純米竹林「かろやか」の冷酒を、まずお願いすると…
わあ、なんて素敵な、ガラスの酒器
思わず、声を出してしまった私に、にっこり微笑んで、
「今、後ろのギャラリーで、硝子展もやっているので、よかったらどうぞ」
と、おっしゃって下さるのをお聞きしつつ、この酒器にすっかり見入ってしまう。
美しく幻想的な色合いに、このデザイン…
透かし模様の入った、猪口の美しさと言ったら…、
こんな器で頂くお酒は、さらに美味しく感じられ、
名前の通り、すぅ~っと口にひろがる「かろやか」なお酒を口にしつつ、
再び品書きをめくり、充てにと小皿料理を吟味。
中から「とり肉の香味づけ」をと思ったら、今日は終わってしまったそうで…、
宮城県の文字に、「杉田豚のしょう油煮」(400円)にに変えて注文。
程なく出されたお皿は、思っていたよりたっぷり盛られて。
宮城県志津川産の豚もも肉、それをじっくりと煮込み、
食べやすくスライスし、葱などの野菜が散らされた一品。
食べてみると、これが柔らか~い。
しっかりと上品な甘辛の味が染み、これがお酒にも程良い
と、しばしこの空間を楽しみながら、お酒をゆっくりと楽しんで…
そろそろお蕎麦を頂こう、と、お声かけると、何とご主人が出てきて下さる。
優しい笑顔の、あたたかみ溢れたご主人に、
「「しろ」と「くろ」、二種盛りにはできますか?」
とお聞きしたのだが…、ものすごくすまなそうに、
「すみません…、ちょっと一人分では難しくて…」
とのお言葉で、う~ん残念…。
さらに悩み悩み…、ようやく「くろ」に決め、注文~。
頼むとすぐ、まずは薬味の葱に辛味大根おろしが置かれ、
程なく、パスタ皿のような、真っ白のお皿に盛られた蕎麦が置かれる。
あっ、これは、美味しいよっ!、と瞬間思ったこの姿 。
ピンっと鋭利に立った蕎麦の角に、つやつや輝くその表面。
どこか透明感のあるグレーの中に散る、蕎麦の欠片の斑紋。
まるで、これさえも硝子細工のような美しさ。
しばし見とれ、手繰り上げると、これがすごい!
むわ~っと濃厚に広がる、ふっくらとした蕎麦の香り。
新そばとは思えない、豊かな香りに、しばしうっとり…。
口に含めば、もちもちっとした弾力ある歯ごたえに、
噛みしめていくと、じわじわ~と広がる蕎麦の旨み。
おっ、美味しぃぃぃ~
すっかりうれしく、大事に、そして夢中で手繰ってしまう。
ようやく汁を思い出し、浸してみると、これも又美味しいもり汁。
雑味なく、何のつっかりもなくまろやかに溶けあった出汁。
この蕎麦を、そっと引き立て寄りそう、柔らかな汁で質に旨い。
最後に辛味大根おろしも加えれば、きりっとした辛さも楽しめて…
食べ終えた頃には、心満たされ、、感無量…。
と、再びご主人が、そっと置いてくれた、どっしりとした鉄鍋。
すごい、蕎麦湯がこんな鉄鍋で出てくるなんて…。
「お熱いので気を付けて下さい」
と、おっしゃって下さり、かき混ぜ注ぎ入れた蕎麦湯は、
程良く白濁した、別に作られたまろやか蕎麦湯で、これが又美味しくて…
蕎麦の余韻に浸りながら、ゆっくりと頂いていると、
「お口に会いましたでしょうか」
とにっこり。
ちょっと興奮ぎみに感想などお伝えし、少々お話しさせて頂くと…
始められてもう、1年半になるとの事。
しかもっ!、そうだったのか…
行きたいと思いつつ、行けずに終わってしまった、
嘗てあった大晦日だけ営業するという「晦日庵」。
その「晦日庵」をやっていた方だったとは…。
「以前は、大晦日と言う事もあって、何人かで打ってたんですが、
今は一人でこんな形で、のんびりとやっているんですよ。」
と、ゆったりとした口調で話すご主人に、お人柄の暖かさが伝わってくる。
是非、今度は「しろ」も食べに来ます!
と、お伝えし、心満たされた思いで席を立つ。
ご馳走様でした~
帰りに、ギャラリーの「硝子展」も拝見させて頂いて…
あ、このミルクピッチャー、かわいいな
素敵な素敵な、午後のひと時。
ここでも又、素敵な蕎麦に出会えたのが、本当にうれしくて…、
又是非とも訪れよう。
今度は、誰かを誘ってみようかな

お休みの日に、開いています
蕎麦のあるcafe 「休日や」
杉並区高井戸東2-22-28
03-3303-8501
11:00~20:00
平日休み
禁煙
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それは、寒い日を選んで是非にも…。
12月の自家栽培の蕎麦も楽しみにしているところです。
ケースに陳列してあるガラスの瓢箪のような入れ物が気になってお聞きしたんです。
各色並べた景色、見てみたいです。
でも、燗酒は又別の酒器とのこと。
まさか、ガラスではないと思いますが、それも楽しみです。
行きたいなあ…。
炭火が入っていて、火箸などでいじってくつろげます。
いつ行っても、ほっとする感じで良いお店です。
さて、「たまねぎ」ですが
前回は白(クリア)と赤、今回は別の色をお願いして
紫、緑、黄と3色のたまねぎでお酒を堪能して来ました。
酒器の色を指定した客は初めてとのことですが(^^;
快く受けて頂きました(^^)/
尚、「たまねぎ」は冷酒用で、常温と燗酒は別の酒器になるようです。
寒い冬は熱燗が楽しみです。
又、彼、休日出勤してくれないかしら(^^;
お燗酒や蕎麦湯が熱々でいただけます。
素敵!
し、しかーし、五色…。
全部見たい、
しかし一人で5合は・・・・・・(-_-;;;;。
あと4回行けば、五色見られるかしら(^^)
「水差しにもどうぞ」とコメントされてました。
色は5色あり、「休日や」ではお変わりすれば
違う色のものを出してくれます。
4回お変わりで5色の「たまねぎ」が楽しめるということでした。
そうなんです、とても和やかで暖かいお店。
が、蕎麦はキリリとして、香り高くたおやか。
あの、蕎麦がき、素敵でしょう~(u_u*)~。
でもって、あのガレットがクセになる味わい。
今年も行けるだろうか…。
冬場はやっていないのが、寂しいところです。
(家からでも、近くはないですよぅ…涙)
成程~。確かに、確かにたまねぎです(^^)。
そばがきに、二種盛り、羨ましい。
とは言え、んだんださんも楽しまれたのが、とてもうれしいです。
私も、今度は、「しろ」と「そばがき」たべてみます(^^)。
ありがとうございます!!!
むせ返るような新蕎麦の香り堪能できました♪
求道的(?)なお店かなと思いきや温和なご夫妻の素敵なお店、情報ありがとうございました。
yukaさん家からはそんなに遠くなさそうですよね?蕎麦街道もびっくりな城西地区が羨ましいなです(*^_^*)
純米竹林、ガラスの酒器とともに堪能してきました。
ちなみにガラスの酒器はお聞きしたら安曇野で創っているものとのこと。
帰って調べたら、「たまねぎ」という商品名のようです。なるほどです。
そばがきに焼海苔が添えられて、巻いて食べたら餅のようで美味しかったです。
これは初めての体験でした。
お蕎麦も二種盛りを美味しく頂き、居心地の良いお店で大満足です。
そうそう、まさに「休日は高井戸で」(^^)です。
しかも名前も「休日や」。
行かれるの、楽しみにしています♪
そう、cafe風のお店は、いくつかあるのですが、ここは、本当に随所まで心遣いが行き渡った、心底寛げる空間でした。
しかも、蕎麦が美味しい!
これが、何よりもうれしくて…。
こういう出会いがあるから、蕎麦は楽しくて仕方ありません(^^)
休日で高井戸
ワタシも早速後追いできそうです♪
cafe風のお店もあちこちに増えてきましたが、ここは落ち着ける風情を感じました。
器の使い方も素敵で、蕎麦はしっかり玄味を活かして打たれているご様子にまた感心しました。
(すごーく、行きたかったから)
多分、同じ場所なんでは、、、と思います。
何はともあれ、真秀さんが覚えていてくれたのが、とおってもうれしいです(^^)。
確かに以前も高井戸ですね。
違う場所なのかな?
内装は似てるように見えますが。
確か2006年の大晦日が最後ですから、5年ぶりに「みそか庵」を聞きました。
連投、まことに失礼。
そうなんですっ、
私も、なんか、それをお聞きして、
ああ、こんな形ででも、やっと晦日庵に会えた、と感動さらにひとしおでした。
真秀さんなら、晦日庵に反応してくれると思っていました(u_u*)~
(てっきり、最後の年にいっていたのかと思っていました)。
コメント、うれしいです。
私も結局、訪問できず仕舞いでした。
一度、伺ってみたいです。
いいですよ、ここ(^^)。
一人、のーんびり。
きっと、tatenonさんも気に入ってくれると思います。
おっしゃる通り、ドンピシャ、壺に入ったように気に入ってしまいました。
いいですね、ここ(^^)。
しかも、行きたいと思っていた晦日庵産だったと知り、こんな形で会えたんだ…
と、帰りながらも感無量でした。
今日は行かれたのかしら(u_u*)~。
お近くというのが、ものすごーく、羨ましいです。
これからも…
どうぞ、よろしくお願い致します。
本当にありがとうございました。
神田川のお散歩がてらに…
ぜひ(^^)
ありがとうございます!
早急に対処できる事ができました。
とてもとても助かりました…。
これからも、、よろしくお願い致します。
でも、ここもよかったです。
一人で、ほっこりするのにいいお店です。
柔らかな温かさのある美的空間、
隅々まで繊細で、心までリセットしてくれるお気に入りの隠れ家。
私も初めて畔を見た時、食べたとき驚きましたよ!美しくって!
yukaさん、気にいられると思いました。
写真見てると行きたくなりました。家から近いから今日のお蕎麦は休日やさんかなぁ?(笑)
休日に散歩がてら行ってみたいですね。
相変わらずイイとこ見つけてこられますなぁ。。
素晴らしいっすわd(^_^o)
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