「明日は豊島酒造の蔵開きに行こう」と決めていた朝。
昨夜の雨が嘘のような、からりと晴れ渡った気持ちのいいお天気。
暦が戻ったような、ぽかぽか陽気、これは蔵開きにももってこい
…と思っていたら、起きてくるなり彼が、元気にのたまう、
「いい天気だっ、紅葉を見ながらの瀬音の湯に入ろう!」と。
この人は、そんなにも温泉が好きだったのか…?、
あまり突然で、不満やるせず、すぐに納得しない私に、
「こないだ行ってみたいって言ってた、檜原の蕎麦屋にも行こうか」
のひと事、、そう来たか。。
蔵開きに未練は残るも、、、、仕方ない…、、付き合いましょう~
と、入ってみれば瀬音の湯は心地よく、すっかりリフレッシュ気分爽やか。
車に乗り込み、檜原村へと、お腹をすかせてゴーゴー。
「払沢の滝」の駐車場の看板を横目に、さらに上へと走っていくと、
すっかり色付いた木々に囲まれた、細い細い山道。
ずんずんずんずん、それでも蕎麦屋の気配は全くなく、
次第に不安になりながら、森の中を進んでいくと…、
ようやくほっこり開けた見晴らし台、「峠の茶屋」に辿り着く。
茶屋の横の細い山道の入口に、そっと掲げられた小さな看板。
これだっ、こんなところにあったとは…。
と、早速山道を降りていくと…
気分はちょっとしたハイキング。
落ち葉の絨毯を踏みしめ、途中には済んだ小川がせせらいで…
急な登り坂を、息が上がりそうになりながら登っていくと、
つ、着いた…、山の中腹に見えてくる、長閑な田舎の立派な家屋。
屋根付きの門が構えられ、すぐ裏には、ごっとんカッタンと水車が回り…
今は懐かしい、昔よくあった田舎の農家の家屋が待っててくれた… 。
日の出町 ~ひのはら村~「峠の茶屋 そば処 みちこ」
「いらっしゃい、どうぞー」と、みちこさんに声をかけられ、
靴を脱ぎ、店内へ上がり入れば、これはすごい。
目の前すぐには、囲炉裏の作られた、広々とした空間。
黒光りする板間に、幾つも貼られた梁が渡された高い天井。
吊るされた、電球に、長い年月感じる太い柱。
その横には、障子の開け放たれた、広々とした畳の部屋二間。
古くても丁寧に手入れし使われているのを感じる部屋に心和ませる。
縁側では登山リュックを背負った年配のご婦人がお茶を飲み、
畳に置かれたテーブルの二つには、お客さんが二組。
思わずぐるりと眺めながら、ようやく我々も腰を下ろし…
ふと横を見れば、木の切り株に書かれたお品書き。
お蕎麦は、「石臼碾きざる」に「山芋つなぎざる」それに「手打ち二八」の三種類。
山芋は分かるも、「石臼碾き」と「手打二八」の違いは、なんだろう、
などと思っていると、しばししてお茶と共に、二つの小鉢が添えて置かれる。
田舎の家庭ならではの、お茶受けが添えられる、このおもてなし。
湯気を立てた煮物二鉢も出してくれるなんて、うれしいなぁ
と、早速注文をしようとしたら、すかさず、「すみません…」
「今日は朝からお客さんが多くて、石臼碾きと手打二八、終わっちゃったんです」
だそうで、んー、それは残念 。
必然的に「山芋つなぎざる」を、山菜天麩羅付きでお願いする事に。
待つ間にお茶を飲みながら、窓から広がる山並みを眺め、
頂く小鉢は、ほっこりと炊かれた「こんにゃくの煮物」に、
亡き祖母を思い出す、懐かしい「芋がらの煮物」。
甘めのほっとする味わいの煮物は、しみじみとして美味しく…
程なく、山菜の天ぷらが添えられた蕎麦が置かれる。
「ちょっとだけ残っていたので、石臼碾きも添えておきました(^^)」
と、サービスで、これはラッキー♪、二色盛りで頂ける。
「山芋つなぎ」は、つるつるっとした表面で、
なるほど、山芋がつなぎになっているのが感じられ、
「石臼碾き」は、比べてみると、確かに蕎麦の感触がこちらはある。
どちらも優しい腰加減に、喉越しするする。
こうなると…、一番人気との「手打ち二八」も食べてみたかったなあ 。
山菜天麩羅は粗塩が添えられ、さくさくっとした山山葵に春菊かな?
それに、立派な平茸が盛られ、これが美味し~い 。
何よりも澄んだ空気の中で、景色眺めながらというのがたまらなく、
ここに座っているだけで、感慨深い満足感…。
入れ直してくれたお茶を持って、縁側に座ってしばしぼおっと…。
日常の事をふっと忘れ、長閑な心地にどっぷりと浸るひと時
「今月は来週でおしまいなのよ」
と、気さくに話しかけて下さる、美智子さん。
冬場はお休みで、4月から11月の営業なんだそう。
思いがけずぎりぎりで伺えた事に、うれしく思いつつ、
「又、来年、ハイキングがてらいらして下さい」
の言葉が、とてもうれしく心に染みて…
ご馳走様でした~
帰り際、剥きたての柿を頂いて、
ほうばりながら再び車を停めた場所へと戻ってみれば…
なんて、雄大で美しい、檜原の山の景色…
ああ、来てみてよかった、と心から。
東京にもこんな景色がある、と何か大きなものを頂いたようで…
いろんな事があっても、私も又、がんばろう… 。

~ひのはら村~
「峠の茶屋 そば処みちこ」 濱田美知子
東京都西多摩郡檜原村小沢4063
042-597-2119
090-7415-3854
11:00~15:30
4月~7月、9月~11月(土日のみ)
5月、8月 木曜以外営業
12月~3月 全休
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頂いた名刺には、日の出町になっていたものでそのまま記してしまいました。この近年の住所名改革で、変わっちゃったのかしらん~。
素敵な一日になったようで、読んでいて私も又思い出されてしまいました。
(帰りに、瀬音の湯をあびる、っていうのもいいかも…)
北海道、25¢さん、行かれてるじゃないですか~~(゜o゜)
でも、ツアー、夢です(u_u*)~
またyukaさんのブログ、リンク勝手に貼ってしまいました。
ごめんなさい。
北海道、いいですよね。
蕎麦ツアーとか憧れます。
来年、ぜひ(^^)。
来年絶対行きたいなぁ
お蕎麦も天ぷらも美味しそうです
そうなんですよね、土の感触。
済んだ空気に、時折聞こえる鳥のさえずり、
さらさら流れる小川・・
ここはよかったです(^^)。
私も又、ハイキングしたくなってきました。
高尾にでも又行こうかしらん~。
この景色に、空気、それがなによりものご馳走でした。
瀬音の湯は、泉質がよくお勧めです。
武蔵五日市からバスもでているし、あきる野には迷う程のお蕎麦屋さんもあるので、ぜひ(^^)。
なんだか、ほっこりほのぼのとした景観の小山(^^)。
これは…、御前山?三頭山?なんだろう…(^^;;。
はいっ(・o・)ゞ、又ぱちぱち撮ってきます♪。
奥多摩の山並み大好きです。
もう、すっかり紅葉しているかも、、行ってきます(^^)
そう言ってもらえると、とてもうれしい。
何人かのお友達が行かれた様子を聞いて、やっぱり行きたかったな、なんて思っていたのですが、でも、この景色にとてもいい一日になれました。
やっぱり、行ってよかった、と思っています。
歩くのならば舗装した道よりも こういう道の方が好きです。
(足の疲れも違います)
その先に こんな美味しいそうな
お酒と蕎麦が待っているのならばなおさらです・・・・
私が試飲酒で盛り上がっている大勢の熱気に当てられている頃
Yukaさんはこんな素敵な自然の中にいらっしゃったのですね・・・
今度の週末は 高幡不動の裏山あたりのウオーキングに
しようかな・・・
シュチュエーションが良いと多少お蕎麦が
美味しくなくても許せますが…
ここのところ,点数辛くなっています~
でもそれはそれで良いかも…
ハッピーな温泉蕎麦屋酒の記事,楽しみに
しています
温泉好きの母をつれて行きたいです
当方にとっては、日の出、五日市、檜原、八王子の西側、青梅~奥多摩こそが
『当方の東京』、でありました。
多摩は『別の東京』への渡り廊下。田舎者にとって、『別の東京』は、フランス
人にとってのパリ、山手線はイル・ド・パリ?
例えれば、同様に埼玉は入間、飯能、小川、寄居、秩父、とかね。
写真のお山は御前山?鋸山?檜原まで行くと、奥多摩の山々がとても身近に感じ
られて嬉しいです。どうぞ頻々と行かれ、写真をお店いただけますと幸いです。
(あれれ?蕎麦の話題が…
豊島屋さんは11時の時点で3000人という酒飲みで溢れ返っていましたから。
しかし、良いところですね。
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