嘗て「神田まつや」で修業され、
駒込「小松庵」を手打に変え、総料理長を務めていたご主人、田村さん。
幾つかのデパ蕎麦「小松庵」を回られた後、今は東浦和で営んでいるそう。
先日、神田まつやの玉子焼きの型が手に入ったと言う事で、
是非、ご主人に「神田まつや」の、(要予約の)玉子焼きを作ってもらおう♪
の会(?)にお誘いされ、それはもう迷わず!、ご一緒させて頂く事に 。
小糠雨降る、心底冷え込む天気も何のその、電車に乗り込み東浦和へ。
駅前の大通りから、路地を入り、てくてくと歩くこと10分余り。
今はすっかり裸木になった桜並木の中程に、目立つ紅色の看板が掲げられ、
ロッジ小屋風の、ほのぼのとしたお店に辿り着く。
東浦和 「蕎楽房 一邑」
扉を開き入った店内は、ふわりと包む柔らかな灯り。
高い天井に、そのままの丸太を使った、立派な梁が幾本も渡された、
長閑で、ゆったりとした、心地のいい空気が店内に満ちている 。
凍えている我々に、すぐに暖かなお茶を出して下さり…
早速、ご挨拶などして、ご主人としばし歓談。
にこやかで、柔らかい物腰の(美形の)素敵なご主人から、
「神田まつや」の玉子焼き器を見せて頂いて…、
初めて伺ったお店、お品書きもちょっと拝見~。
まずは、暖かいお蕎麦が並ぶ、季節の蕎麦に料理の品書きが別に挟まれ、
冷たい蕎麦に、更科堀井伝授の、月毎の「変わり蕎麦」。
蕎麦屋定番の品書きに、揚げものなどがずらりと並び、
ご飯ものに、お酒の品書き。
さすが、小松庵の元料理長、お一人で切り盛りするも、豊富な品書き。
と落ち着いてきてはいても、まだまだ体は冷え切ったまま、
とにかく熱燗を頂いて、暖まりた~い 。
と、出羽桜の熱燗で、今日の集いにお猪口で乾杯~。
お通しにと、添えて出された揚げ蕎麦をつまみつつ…
程なく出して頂いた、美しい飾り切りのなされた「板わさ」。
ぷるんっとした弾力ある歯ごたえがあり旨みが濃厚の上質なもので、
添えられた山葵漬も美味しく、これがお酒によく合う。
取り皿は、手触りも心地のいい、格調高い、備前のお皿。
さらに、うれしい「漬け物の盛り合わせ」。
先日食べた「小松庵」のお新香の美味しさを髣髴する漬け物で、
どれもが、漬け具合もぴたりで、とても美味しい 。
とこれらで熱燗を頂いていたら、いつしか体もほかほかと暖まり…
それではまずは一つ、と焼いて下さった「神田まつや」伝承の「玉子焼き」。
これこれ、長年焦がれてきた、独特の小判型 。
狐色にこんがりとまわりに焦げ目が入り、一片ちらされた三つ葉の緑。
食べてみれば、ふんわりふわっふわ。
優しい心地になる甘い玉子焼きは、所謂一般の「玉子焼き」とは別物。
まるで、スフレケーキのような口当たり。
口にしただけで、うっとり幸せな心地にさせられ…
ああ、これは美味しい~。
念願の玉子焼きを食べられた事に感無量
とすっかり陶然としていると、これの焼き方を実演して下さるそう 。
早速、ぞろぞろと厨房に入らせて頂いて、ご主人の手元に注目~。
たっぷりの油を注ぎ、煙が出る程火にかけたら、即急冷。
その間に、手早く玉子二個を溶き、出汁・みりん・砂糖で味付け、
手際良く注ぎ入れ蓋をして焼く事数分。
蓋を開けてみれば、ふっくらとした玉子が焼き上がり…
その上に、そっと丁寧に三つ葉を乗せて、再び蓋。
ひっくり返して、表面にも火をかけて…
じっと、息をつめ数秒むらして、蓋を開けたら、出来上がり~。
焼き上がった玉子焼きも、まるでスポンジケーキのよう。
包丁を入れれば、中はほんのり半熟のレア状態。
流れ出るぎりぎりのところの火の入り具合が、絶妙な玉子焼き。
これを二回、見せて頂いて、早速これも頂きま~す 。
ん~、この玉子焼きは、いくらでも食べたくなってしまいそう、
このふわっふわな優しい口当たりの玉子焼きに、すっかり虜 。
さらに…、珍しく手に入ったという、「韃靼蕎麦」の蕎麦粉で、
すぐに作って下さった「韃靼そばがき」。
ダッタン蕎麦は食べた事があっても、蕎麦がきは初めて。
ふわっと香る香りも又独特ながら、もっちりとした蕎麦がきは、
思った程苦みはないが、独特のウコンに似た薬草のような風味がじわ~り。
ふむふむ、なんだか体に良さそう。
と、ご主人含めて、興味深く頂いて…、
当然お蕎麦も頂きたい、とそろそろお願いする事に 。
まずは、基本の「生粉打ちそば」、大盛りで盛って頂き手繰り合う。
角がきりりと立ち、切り幅、長さにもムラのない端正に切り揃った、
麗しく、エレガントな香気漂う。
手繰り上げれば、ふわっと広がる新蕎麦らしい、清々しい香りが漂い、
しなやかで心地のいい腰加減、噛みしめればじわっと広がる香ばしさ。
ああ、さすがだ、非の打ちようのない、洗練された優雅な蕎麦 。
すっきりとしてまろやかな汁も美味しく、そっと蕎麦を引き立てる。
ああ、美味しいなあ…と、4人で手繰ればあっという間。
となったら、種物も何か頂きたい。
「かけ」にしようかと思ったが、先日の「小松庵」のカレーの美味しさを思い出し…、
悩んだ挙句に選んだ、「カレー南蛮」。
程なく出された、「カレー南蛮」は、柔らかい山吹茶色。
まずは蓮華で掬い、この汁を口にすれば、そうそうこれこれ、この味わい。
円やかでクリーミィ、ぴりっとしたカレーのスパイスは広がるも、
出汁の風味に、マイルドな口当たりが広がり、たまらない。
取り分け頂けば、この汁に浸った蕎麦も存在感をきちんと残し、
まったりとろりとまとい、汁と蕎麦を一緒に堪能できる幸福感に満たされる。
ああ、これは、やっぱりやっぱり美味しい~。
神田まつや、のカレーとは全く違うこの味わい。
お聞きすると、甘汁にカレー、さらに卵黄を混ぜて作られているそう。
成程、あの柔らかな味わいは、玉子の優しい風味だったんだ。
と、汁すべて、なめ尽くすように頂いて、大満足。
貴重なひと時を過ごさせて頂き、心から大感謝。
ご馳走様でした~
ご主人の、素敵なお人柄にも心惹かれ、
春には、見事な桜並木を眺められるそうで、これは是非伺いたい。
桜愛でながらの、「桜切り」に、想いはてつつ…
こんな素敵な集いにご一緒させて頂いて、ありがとうございました
4人~6人程の要予約で、実演見学且つ、玉子焼きは食べられるそうです。

「蕎楽房 一邑」
さいたま市緑区東浦和7-24-27
048-874-5151
11:30~15:00 / 17:00~20:00
(11:30~14:00ランチコーヒー付き)
禁煙
Pあり
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でも、前に、大泉のご主人にお聞きしたら、今は、あの専用のフライパンもないので、できないよーって言われちゃったんです。作ってもらいたいな…(u_u*)~
麻原酒造の「琵琶のさざなみ」はお勧めです。これもぜひ。
そう、酒蔵っていいですよね…(u_u*)~
麻原酒造知りませんでした(^^;)
お酒の蔵元って以外にありますね。
文楽酒造(上尾)の敷地内に
川上庵が出店したとか?
<東蔵>今度行って見ます!
酒蔵って雰囲気いいので好きです。
ここの蕎麦豆腐好きです。
確かに、看板、目立ちます(^^;。
でも、素敵なお店なんですよっ。ぜひぜひ、今度又通られたら是非行かれて下さい。
「玉子焼き」食べれますよ~(^^)
「随分派手な蕎麦屋(失礼)があるなあ」と思っていたのですが、
そういう店でしたか。
寄れば良かった。(笑)
それにしても、神田まつやの玉子焼きは羨ましい。
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