幻の蕎麦と言われる、オヤマボクチつなぎの飯山の富倉そば。
「はしば食堂」で、その蕎麦を食べたのはいつだったろう…。
そのオヤマボクチつなぎのお蕎麦を、東京で食べられるお蕎麦屋さん。
行ってみたいなあ、と思っていながら早数年。
先日伺った時には、運悪く「貸し切り」で食べられず仕舞だったので…、
今日はそのリベンジ兼ねて、お昼を食べに行ってみよう~。
川崎市久地、殺風景な府中街道の通りに面して、
うっかりすると通り過ぎてしまいそうな、食堂のよう質素な佇まい。
が、しかし、小さな暖簾がちょこんと掛けられた入口上の看板には、
しかと書かれた「北信州」に「手打ちそば」。
久地 「北信州 手打ちそば とみくら」
入った店内も、ほのぼのとした素朴な空間。
飾り気ない、雑然とした中に、家庭的な温かみのある空気が流れ、
奥には、テレビがかかってる。
4人掛けのテーブル二つ、奥には大テーブルに掘り込みの小上がりがあり、
手作りのようなクッションが置かれ、田舎の家に来たような温もり感 。
すぐに、いらっしゃいませ、と気さくな女将さんに迎えられ、
空いていたテーブルに腰を下ろす。
(ちょっと珍しい?)コップに注がれた暖かいお茶を口にして…
早速置かれていた品書きを開くと、まず目に留まる「富倉そば」の説明書き。
これこれ、お目当てのオヤマボクチつなぎのお蕎麦
その蕎麦の、冷たい蕎麦、温かい蕎麦が、いくつか並び、
横には、ずらりと並んだセットの品書き。
と見てみると、「富倉そば」750円で、セットだと850円?
…と言う事は、セットはものすごくお得だなあ。
しかも、さらにもう一枚、別に挟まれた品書きがあり、見ると…
えっ?ら、ラーメン?
しかも、タンメンに、五目そば、海老チャーハンに中華丼まで!
裏を返せば、「ランチ」には、中華料理店そのもののお料理がずらり 。
すぐに、彼の目がキラ~ンと輝き、ひっくり返し見ながら悩んだ挙句、
「半チャーハン・ラーメン」に決めたよう。
私は迷わず、お目当ての「富倉そば」、それのとろろご飯のセットで、早速注文~。
待つ間にぐるりと店内を見渡せば、つなぎの原材料、
「オヤマボクチ」がまるでオブジェのように掛っていて、しばし眺め…、
その下には、天麩羅などのサイドメニューもちょこちょこと掛り、
北信のお酒で、ぼんやりとちょっと一杯も良さそうだなあ…。
などと見ながら、じっくりと「富倉蕎麦」の説明文を読んでいると、
程なく目の前に出された、「富倉そば」ととろろご飯のセットのお盆。
笊に盛られた蕎麦は、ぴんとした張りがあり、スラリと横たわる、
うっすらとグレーがかった細切りの蕎麦。
きりりと断たれた角はピンと立ち、艶やかな蕎麦の中に、
所々に散る星は、蕎麦粒だろうか、それともオヤマボクチの欠片だろうか。
と、しばし眺め、手繰り口にすれば、これがしっかりとした歯ごたえ。
もちもちっとして、細切りながら力強い腰があり、これが旨いっ。
茹で足りない硬さとは違う、この蕎麦の持つ弾力感。
噛みしめれば、じわじわと蕎麦の甘みが広がって来て…
これは、美味し~い 。
汁は、甘さ控えめのすっきりとした味わい。
信州らしく薄めの汁で、どっぷりと浸し食べれば、さらに甘みがじわりと増す。
期待以上のお蕎麦に、うれしくて夢中で手繰っていたらあっという間。
さらさらとした蕎麦湯で、ほっと一息いれて、とろろご飯を見れば、
ご飯は、小判型の麦がたっぷり混ざった「麦ご飯」。
予め味付けて溶かれたとろろには、ふわりと香る青海苔が掛り、
豪快にかけて頂くと、ぷりぷり麦飯にとろりとからんだとろろがとても美味しい。
食べられるかな、と思っていたのに、するすると入ってすっかり完食~。
一方、彼の「半チャーハン・ラーメン」は、正真正銘の中華のセット。
表面に浮く油は少なめの、きちんとしたラーメンで…
途中交換して食べてみると、懐かしい心地になる、昔ながらの中華そば。
麺も程良い腰があり、優しい味わいのラーメンに、
チャーハンもぱらりとして、シンプルながらきちんと美味しい。
彼も満足そうに食べ終えて、ぽつりとひと事、
「今度は、チンジャオロースも食べてみよう」と楽しそう。
東京でオヤマボクチつなぎの、美味しい蕎麦があったのがうれしく、
二人してすっかり大満足 。
お勘定をしながら、ご主人奥さんにお聞きすると、
ご夫婦お二人、飯山富倉にいらっしゃったそう。
正真正銘の、富倉そばなんだ、と暖かなお二人のお人柄も好印象。
ご馳走様でした~
今度はぜひ、あの蕎麦で、温かいお蕎麦もたべてみたいなあ。

「北信州 手打ちそば とみくら」
神奈川県川崎市多摩区堰3-16-11
044-813-0562
11:00~20:00
木曜定休
禁煙
P2台ほど
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懐かしいですね…
すっかりこのブログ初めて、時がずいぶんたってるんだなぁ、としみじみです。
ここ「とみくら」は、さまりすさんのブログを見た時からきになっていたんですよー。(何年かかったのやら^^;;)。
そんなお近くだったとは知りませんでした。
そうそう、店構えも内装も、ちょっと微妙(笑)
でも、気さくで暖かなお人柄のご夫婦に、きちんと打たれた蕎麦、気に入ってしまいました。
一緒にいたお客さんは、暖かいお蕎麦揃って食べていたのが印象的で、次回は暖かい蕎麦も食べてみたいともくろんでいます。
ここは元々中華屋だったのが、確かおかみさんが富倉の方で、業態転換されたんです。店構えも店内も「微妙」でしょ?でもんな場所でありながらお客さんも入っているし、頑張ってらっしゃいますね。
自分はブログにも書いたんですが、実はもう何年も行ってなくて、でちょうど最近久々にちょっと気にかかってたところでした。行ってみようかな。
関係ないですが、私はyukaさんとコメントされてるなつきさんと、その時の「まろうど」繋がりだったようです^^
そうなんです、外見は、んーって感じですが、お蕎麦、とても美味しかった!
汁も、信州のものにしては、すっきりとしていて、珍しいですよね。
ちなみに…
ラーメン、チャーハンも、きちんと美味しかったですよ~(^^)
富倉ご出身のご夫婦のお店、ぜひ、LM2 さんのブログにも載せて下さい♪
私も、プロネタリウムに行かなくちゃ(^^)。
なとなーく、気になっちゃいますよね~。
でも、きちんと、カシャカシャカシャっと、チャーハンを炒める、軽快な音も聞こえ、どれもきちんと作って下さっていました。
ぜひ、ここの富倉そば、私は気に入ってしまいました。
長野や、福島の田舎の方だと、蕎麦屋が食堂を兼ねて、蕎麦意外もあったりするので、その名残なのかな、なんて思いました。
あれば、私もついつい食べてみたいもの。
ラーメンチャーハンも味見できてよかったです(^^)
私も、その頃から多分行きたいな、なんて思っていて、やっと行かれました。
ぜひ、なつきさんも(u_u*)~
http://cr2c-tsuzuki.dreamlog.jp/archives/1390273.html
大衆食堂風のメニューには自分も一瞬引きましたが、
お蕎麦はしっかりと富倉蕎麦そのもので感心しました。
yukaさんの記事を見てまた行ってみたくなりました。(^^)
行ってみたくなりました。
半チャーハン・ラーメンがあると、
つい頼みたくなりそうで恐いです。。
打つのを挑戦してるのを見て
相当技術が必要な蕎麦に感じたので
相当な手練の御主人と思われるのに
なんとラーメンもチャーハンも出すと
一回食べて見たいので
久地って久地円筒分水の近くなら
一回高津から歩いて見に行ってるから
って地図で確認したら・・・遠いっすね
南武線で二駅
でも長野行くよりは近い
全然近い
行って見よう
飯田橋の「まろうど」だったかな?
あそこで富倉蕎麦を初めて頂き、それをblogに書いたことで、
久地の「とみくら」についても知りました。
それ以来の宿題です。
改めて行きたくなりましたよ。
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