つれづれ蕎麦 
    恋ヶ窪 「きぬたや」
    2006年02月23日 (木) 20:30 | 編集
    午前中の用事が思ったよりも早く終わりそうだったので、とっさに出先から電話をかける。咄嗟に。
    ずっと前から、行ってみたいと思いつつも、この電話一本がなぜか勇気がでなくて、今までいたというのに、勢いってやっぱり必要なんだなぁ、と予約をしてふと思う。
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    「恋ヶ窪」という駅を降りるのも初めて。

    駅前の通りから横道に入り、
    ちょっとごちゃっとした飲食店の中に、
    埋もれるように、看板が見えてくる。





    20060223165132.jpg

    ずっと、来て見たかったお店・・・。

    「そば処 きぬたや」

    注意して見てなければ、通り過ぎてしまうだろう。
    蕎麦屋とは思えない・・・というより、営業してるかどうかさえ定かではない感じの・・。

    外には、「ご来店の際は、電話で必ず確認してください」 との札・・・。
    ふぅっ。。 大丈夫、ちゃんと電話したし・・・と、一呼吸おいて中へ。。
      

    扉を開けると、中にいらっしゃったご主人が、すぐに出てきてくださり、どうぞ、こちらへ・・・と、やわらかい表情で迎えてくれて、やっとほっと・・・。
    20060223165146.jpg
    大きな8人がけのテーブルだけがあり、テーブルの上には、お箸のセットがふたつ用意してある。
    今日の予約は、私ともう一人なのだろうか・・・。

    そのうちのひとつを指差され、腰をおろすと、
    「ちょっとお待ち下さい」と。

    ん?山葵を摺る音が・・・。

    なんだか、これまでのお蕎麦屋さんとは、勝手がちょっと違うような感じで、ちょっと戸惑いながらも、周りを見ると、ほんっとに何もないシンプルな店内に、なんとも味のある絵が飾られてる。

    20060223165058.jpg20060223165048.jpg

    ほのぼのと、暖かい・・・、見てるとちょっとほっとするような絵が、両方の壁に適度な幅をもってさりげなく、いや存在感をもって、在る。

    と、思っていると、ご主人が出ていらして、お水と、蕎麦猪口、薬味を出してくださりながら、口一番に、「どちらかでお聞きになっていらしたんですか?」と。
    それから、「どこのお蕎麦が好きですか?」(噂通りだ・・・ )と聞かれ、いくつかのお店を出しながら、話が膨らんでいく。

    が、「まあ、とりあえず食べてみてください。」と、今日打ったそばを1枚ずつ出して頂く。

    まずは、これからくるお客さん(なんと、18年も通い続けているという!)の好みであるという、
    「福井在来種」の外一で打たれた蕎麦。

    外一

    目の前に出された瞬間、「なんて美しいっっ 」と思ってしまったほどきれいな蕎麦。透明感が強く、透き通るかのような蕎麦には、星よりも細かい粒をきれいにまとっている。見るからになめらかで、ガラス細工のように上品な蕎麦。。
    外一
    しずしずと、まずは一口・・・。
    ん~・・、しっかりとした腰。ここも又、凝縮したような弾力のあるしっくりとしたもの。

    それでいて、喉越しがとても滑らかで、蕎麦の風味がふんわりと広がっていく。
    さすがに美味しい・・


    そして、食べ終わるのを見計らって、出された二枚目。
    やはり、福井の在来種でこちらは生粉打ちの蕎麦。
    十割

     ややっ・・・、これはっ。。
    もう、食べずとも分かってしまいそう。先に出されたものよりも、蕎麦の粒子が大きめに、きれいに粒として蕎麦に散りばめられ、その切り口の鮮やかな鋭さ・・・。緑がかった細切りのそれは、なんというか、芸術のような佇まい。。

    10
    笑みが出そうになりながら、口に含む。
    んんー、これこれっ。舌の上で軽やかに転げていく蕎麦のざらつき。
    たおやかさもありながら、しっかりとした腰の中に、もちもちとした穀物の凝縮感。
    楽しみながら、大事にかみ締めるとじわ~っと蕎麦の旨味が広がっていく。

    そう♪、これこれ、こういう蕎麦、大好きだ・・と素直に思い、ご主人に告げてしまう。
    「本当に、お蕎麦が好きなんですね・・・」と言われ、蕎麦についてしばしお話を。
    こちらの方が、粗挽きで挽いたそうで(まさしくっ!)、でも、すべてのお客さんがそれを好きというわけでもない・・、それが難しい、などとおっしゃっる。

    蕎麦の声を聴き、こう挽いてもらいたい・・というように挽くことや、
    できるだけお客さんの好みの蕎麦を作りたい・・と、淡々と語るご主人は、とてもピュアで真面目な方。一つ一つの語り口がとても優しくて・・、話を聴いているとだんだん、わたしも澄んだ心になっていくような気持ちさえも。まるで、少年の純粋な心のままいるような、そんなご主人。

    20060223165038.jpg
    お酒も飲まれるようでしたら・・・、
    と、サービスで出してくださったお酒。

    銘柄を聞くと「まずは飲んでみて下さい」と。
    好みを言ってから、選んでくれた
    松司(純米吟醸あらばしり)
    九郎治(純米吟醸)


    どちらも美味しく、話はお酒へ・・・。

    ・・・と、もう一人のお客さんが、いきなり入ってきて、話は中断したが、ご主人は、結構お話好きのよう。。 なんだか・・、すっかり緊張も溶けていて、楽しい気分になってるのに気づく。

    お勘定をし、席を立つと、丁寧に「ありがとうございました」との声。
    不思議なお店・・・、
    でも又来て見たい。「毎回同じ蕎麦っていうのではないんです、明日は又違う蕎麦になっているかもしれない。そして、お客様が喜んでもらえるかも分からなくて・・・」と話していたご主人。んー、次はどんな蕎麦なんだろう。そんな興味と期待が、すでに沸いてきている・・。

    店を出て、初めて、どうして暖簾が店の内側にかかっていたのか、分かったような気がした・・・。
    こんな、お店もあるんだなぁ。。


    *お品書き そば(二枚で一人前)1,000円

    20060223170112.jpg
    手打そば 石臼手挽き
      きぬたや

    国分寺市西恋ヶ窪4-30-24
    042-326-3221(要予約)
    11:30~15:30(売り切れじまい)
    月・金曜休




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    コメント
    この記事へのコメント
    B様
    ほんとうですかっっっっっ?
    そ・そんな・・。
    もっと、早く知っていれば・・・。


    悔やまれてなりません。お知らせくださって、ありがとうございました。
    2006/09/03(日) 05:11:05 | URL | yuka #0kufgj3.[編集]
    管理人のみ閲覧できます
    このコメントは管理人のみ閲覧できます
    2006/09/02(土) 19:54:30 | | #[編集]
    もうちょっと、かかりそうです・・・
    南無様
    まだ、片足の生活です・・・。
    本格的なリハビリは、その後になるかと。
    相変わらず、やり切れない思いのある日々で、辛抱してます。。

    いいですよね・・、ここ。
    すぐにでも訪れたいな、って思っていたのですが。1時間半・・、いろいろなお話、お聞きできたんだろうなあ、と思います。わたしも、よくなったら、又おじゃましたいです。
    2006/04/17(月) 07:31:39 | URL | yuka #0kufgj3.[編集]
    具合は如何ですか?
    リハビリ、順調に進んでいますか。
    先日、久しぶりに行ってきました。
    常陸秋そばと丸岡在来を細かめ、粗めに挽いたものーの3種でした。
    一人だったので1時間半の滞在、いろいろ教えていただき勉強になりました。
    2006/04/16(日) 18:37:04 | URL | 南無 #-[編集]
    prison様、おひさしぶりです~
    保父さんだったそうです。
    わたしも、なるほど・・・、と思った次第。次行くときは、私も4種頂こうとおもってます。

    >志村○んを思い浮かべるのは私だけでしょうか?
    (^^;・・・・、実はわたしもすごーくそう思ったんです~・・。誰かに・・・と。やっぱり・・・(笑)
    2006/02/26(日) 16:15:11 | URL | yuka #0kufgj3.[編集]
    私の場合
    西国分寺から歩いて20分
    前回伺ったときは、同じ品種の蕎麦を4種類の粉に挽き分けていて、4枚全て頂いてきました。
    ご主人の前職は幼稚園か保育園の先生と伺ったことがあります。人当たりの優しさはむべなるかな。
    志村○んを思い浮かべるのは私だけでしょうか?
    2006/02/25(土) 19:08:05 | URL | prison #-[編集]
    ミズトリさま
    仙人・・そういえば(^^;。。
    本当になんというか、澄んだ心の、優しい語り口のご主人と、あのきれいな蕎麦。
    不思議な時間をすごすことができました。
    もっと早く行けば・・、いや、今だからこそよかったのかもしらないな、と思っております!
    2006/02/25(土) 14:31:47 | URL | yuka #0kufgj3.[編集]
    仙人を召し上がりましたね
    キレイなお蕎麦と優しい人柄、簡素で落ち着ける雰囲気、そしてお蕎麦やお酒の話、ユカさん全部が美味しかったでしょう・・・・・
    山中さんは蕎麦の仙人です、それをすっかり丸ごと召し上がったようですね(笑)・・・・・ユカさんが見えたことが嬉しかったのでしょう、仙人の優しい顔が目に浮かびます
    私にとっては何処のお店よりもここが一番です。
    2006/02/25(土) 14:06:28 | URL | ミズトリ #-[編集]
    うまいもん様
    TBありがとうございます♪
    すごいっ、参考になるブログですね~・・・。
    神楽坂の隠れ家・・・気になってしまいました。

    こちらこそ、どうぞよろしくお願いいたします。
    2006/02/25(土) 08:38:55 | URL | yuka #0kufgj3.[編集]
    真の蕎麦好きが通う蕎麦屋「きぬたや」
    初めまして。

    今回、TBさせていただきました。


    いつもご参考にさせていただいております。

    ほぼ毎日蕎麦、
    ラーメンではそう言う人はいるようですが、
    蕎麦では少ないですよね?

    今後も記事を楽しみにしています!
    2006/02/25(土) 02:23:56 | URL | うまいもん #-[編集]
    南無さま
    そうなんですかっっ??知らなかった。。
    あと一枚は食べられたから・・・、んー、次回は3枚頂いちゃおうっと。
    ただ、予約の時に言ってなかったから、追加だめかな?っておもっちゃったんです。
    でも、又、絶対行って見ます!

    ガンチャンさん
    お詳しいんですねえ。。
    さすがっ。。
    はい!こちらは、丸岡のものでした♪
    2006/02/24(金) 06:17:36 | URL | yuka #0kufgj3.[編集]
    福井在来種ですか!
    福井にも大野、美山と在来種があり、最近は丸岡在来種というのまで出てきました。

    美山、丸岡は確か小粒種で、香りがいいのが特徴です。また、蕎麦は播種後75日といいますが、ちょっと早めに刈って青味かかった蕎麦の実を出荷しています。
    東京だと丸岡かな?
    2006/02/24(金) 05:25:26 | URL | ガンチャン #-[編集]
    三種類もOKでは?
    半人前(500円)で二種類と、追加分の半人前(350円)一種類、計1350円で三種類食べられますよね。
    2006/02/24(金) 00:16:48 | URL | 南無 #-[編集]
    そうなんですよ・・・私も。
    電話予約・・が、ネックになってて、
    今まで行ってなかったんです。
    (結構、その時ぷらり~・・・が多いので)

    是非是非、行かれてみて下さい!
    電話一本くらい、しちゃおうっ!って気になる・・、いえ、それ以上のものを頂いた、今日でした・・・
    2006/02/23(木) 22:53:46 | URL | yuka #0kufgj3.[編集]
    久しぶりにきぬたやの記事を
    読みました。

    有名になったんですね!

    さて、ゆかさんには、電話予約をされて伺われたことと思いますが、
    昔はそうではなくて、極ふつうに行っていましたね。

    でも、今はそうではなく、結構凄い蕎麦を出されているようで、
    今度行ってみたいです。

    電話予約というのがメンドウクサイだけなんですが。

    本当にめんどうくさいのが嫌いなんです。
    2006/02/23(木) 22:41:55 | URL | よしのふぁん #-[編集]
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