去年、浅草に女性打ち手のお店が開店し、
ずっとずっと、行ってみたいと思っていたところ…、
ひょんな事からの、うれしいお誘い 。
浅草駅から仲見世通り、浅草ROXの横を通り過ぎ、
雨の浅草をてくてく、てくてく。
どこか懐かしいレトロな商店街から…
「一葉・小松通り」を曲がれば程なく、
黒塀に格子扉、ひらりと靡く暖簾も粋な佇まい 。
江戸の蕎麦は二八、二八十六…、
浅草 「手打ちそば 浅草拾六(じゅうろく)」
雨をよけ、暖簾をくぐり扉を引けば、
厨房をぐるりと囲んだコの字カウンターに
奥には、ゆったりとした小上がり席。
明るく温かみのある空気の中に、キリっとした「気」を感じる、
「美味しいものを食べさせる」、雰囲気満点 。
迎えてくれるのは、キュートな打ち手の女将さんに、
作務衣姿の気さくな大将。
今宵は4人、小上がりに通されて…、
まずは、恵比寿麦酒で乾杯、ぷはっ~。
美味しそうなお料理がずらりと並ぶ中、
今日頂くのは、「夏鴨鍋」を含んだ「おまかせコース」 。
まず出された「八寸」に、
うわぁ~、思わず歓喜、ステキすぎっ
添えられた蕗味噌がアクセント、
「クリームチーズいぶりがっこ」に、
大がつく程好きな、「炙り明太子」 、
琥珀の宝石 「穴子の煮こごり」に、
甘みはすっきり、とろりとして山葵がフレッシュ、
一味違う、「山葵漬け」、
ぷりっとして風味豊か、上質な「はも焼き板」に、
甘さ控えめの、ふっくら艶やかな、「丹波黒豆」、
透ける繊細な身の「静岡産 生しらす」は、
ねっとりとして甘く、
「びわ湖天然地鮎の焼き干し山椒煮」、
表面はさくっと、身は柔らか、
こってりとしたタレに山椒爽やか、これ美味しい~いっ 。
置かれた瞬間頼んだお酒は、
「ここでしか飲めませんよー」」との限定酒、
那須 「吾妻力士」純米吟醸 「天空昇兵衛」。
す~っと広がる、澄み透明な、きれいなお酒、
女将さん、確かにこれ、美味しいですっ
お刺身も、ひと手間加えられたもの。
煎酒が振られた、「長崎天然平目の昆布〆」。
昆布の旨みが品よく染みた薄切り平目に、
散らされた胡麻香ばしく、煎酒が絶妙。
くぅ~、これも素晴らしいっ
続いて、白ごま黒ゴマ交互に盛られた、
とろりと滑らか香ばしく、うっとりする程美味しい、
絶品!、「自家製ごま豆腐」 。
さらに、煮魚好きとしては、うれし過ぎ、
「兵庫天然真鯛の煮つけ」
身離れよく、こってりとした煮汁も旨いっ、
く~、お酒がすすむすすむ、
あっという間に、「東力士」を飲み干して、
続いて、「やまとしずく」純米吟醸、
「澤姫」特別純米酒と、盃重ね…、
「青森帆立と浜防風のヌタ」。
甘い帆立に、初めて食べる浜防風は、
しゃきしゃきっとしてセリに似た爽やかな味わい。
揚げたてふっくらとした、
「そら豆のつまみ揚げ」も旨いっ。
そして…、いよいよ、「夏の鴨鍋」登場~。
ぐつぐついうお鍋の中は、
九条ネギに、たっぷりの鴨肉、
蕎麦団子こと蕎麦がき入り。
鴨の旨みたっぷりの、この汁の美味しい事っ 。
九条ネギはしなやかしゃらりと柔らかく、
煮込まれた蕎麦がきは、とろ~り、
口の中で蕩け広がり、たまらない味わい 。
汁すくい、酒をすすり、
「花巴」に、「亀の尾」純米酒…、
最後は、「天ぷら盛り合わせ」、
さくっと揚がった、江戸前活穴子一本揚げに、
滴る程に瑞々しい、北海道アスパラが甘~い。
さくっと軽やかな稚鮎も美味。
どれもこれも、すべて美味しい、
素材の持ち味をきちんと見分けて調理された、
酒呑みの舌を喜ばす、美味肴。
大将、素晴らしいですっ 。
期待以上の旨さにすっかり感動~。
そして…、最後の楽しみ、〆のお蕎麦。
品書きに綴られた文字は、「粗美季せいろ」。
この美しい文字を充てた、その心に胸がジーン。
「白」と「黒せいろ」、もちろん両方の、「二色盛り」で 。
まず出されたのは、「黒せいろ」。
茨城常陸秋そば、玄挽き粗挽き。
艶やかに黒輝る、その圧巻の野趣。
様々な色合いの粒がみっしりと詰まりつつ、
繋がりも見事な、丹精な細切り蕎麦。
手繰った途端、むわ~と広がる豊かな香り。
ほのかにぼそっとした素朴感と、
細身の繊細さを合わせ持ち、
カカオに似た、深く芳ばしい豊穣とした味わい。
力強く、それでいて気品がありエレガント 、
出汁円やかな汁は、しっかりとした味わい。
この蕎麦を見事に受け止め、
さっと浸した蕎麦は、旨みがぐっと増し、
薬味の胡麻を試す間もなく食べ終えて…、
続いて、「粗美季そば」の白。
福井大野、丸ぬき粗挽き。
うわ~、美しい 。
ほのかに透ける細身の蕎麦に、幾重にも重なる蕎麦の粒。
ふわんと広がる、芳しさ、
ほろりっと解ける腰に、口肌なでる粒感の心地良さ、
豊穣とした甘みが口いっぱいに広がり…
こ、これは私の好きな蕎麦。
美味しいっ、そしてうれしいっ 。
さらさらとした蕎麦湯で、
最後に汁の美味しさをじっくりと味わって…
まさかのうれしい、最後のデザート、
「蕎麦のアイス」
蕎麦テイストのアイスに、中にはあんこ、
カリカリ蕎麦の実がさらに香ばしく、
くぅ~、お持ち帰りしたいくらい
料理の旨さに、蕎麦の旨さに、
大将にかわいい女将さん、
2人のもてなしもあったか心地よく…
心もお腹も幸せなひと時に 。
ご馳走さまでした~
お二人揃って見送って下さるのもうれしく、
又ぜひとも、伺いますっ
Nさん、Nさん、Kさん、ありがとうございました~
*「夏鴨鍋」 2,000円
「夏鴨鍋とおまかせ」 6,000円

「浅草じゅうろく」
台東区浅草4-37-8
03-6240-6328
17:30~23:00 (平日)
11:30~14:00 / 18:00~売り切り(土日)
水曜定休
禁煙
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