まさかその時には、こんな姿になっているとは思わずにいたのだが、せめてこの日までにはよくなって、是非とも訪れたいとずっと思っていて…。
何とかがんばりながら、電車を乗り継ぎ豊島園駅へと向かう。
さすがにちょっと歩くのは大変だったので、タクシーで近くまで行き、そこからお店へ。
…が、ほんっとに、全くの住宅街 。(そのどれもが素敵なお家ばかり~)
何度も何度も,何度も…迷いながら、やあっと、ひとつほんのり灯る明かりが見えてくる。
手打ち蕎麦 「雨幸」
自宅でやっているという、住宅街にある素敵なお店。知らなかったら、ふっと、通り過ぎてしまうくらいに、さりげなくおろされた暖簾。全体に漂うセンスが清楚で、そしてとても素敵で…、すでにわくわく。
昨夜は、その3周年のお祝いの会。
普通のお家の玄関を開けて、靴を脱いで入ると、庭に面した座敷の部屋にテーブルが4つ並べられている。横の部屋はテーブル席の部屋も。
並べられたひとつひとつの小物もとても素敵。
ほんのり灯るランプ、その置かれた古箪笥など奥様のセンスのよさが伺える。
こういう民家でのお部屋だと、緊張しちゃう雰囲気があったりするけど、なんだか温かみが感じられてほっと寛ぐ。
そしてこのお部屋の何よりもの特徴は、この障子。
なぁんと、「雨幸」の文字が枠組みされてる!
裏側から、ライトアップしている演出が、なんとも幻想的で、不思議な感覚が。
箸袋の文字印に至るまで、ご夫婦のこだわりが感じられるなぁ。
…と、人数も揃ったところで、乾杯と
私もそうだけど…、
皆さん、ぐるぐる歩き回ったこともあり、
まずは、ビールで。
各テーブルに置かれた、ガラスの器のランプがまたいい感じ♪
おまかせのコースはこんな感じで…
3点…、いや4点盛り。
甘さを控えた京風の出しまき卵。
丸められた大根おろしがかわいい♪。
しっかりとした「板わさ」に、
ぴりっと辛い「山葵菜漬け」
そして、白髪ねぎがたっぷり盛られた
「鴨のロースト」
ひとつひとつが、とても丁寧に作られて暖かさを感じる品々。
この辺りで、日本酒に変えて…、
まずは、「一の蔵」
二合で頼むと、こんな粋な樽仕立てで。
これもなんだか、楽しい♪
まったりとしたお酒は、常温で。
まるで貝殻のような凝った器に
「八方湯葉」
湯葉と煮含めたしいたけなどに、八方だしの味付けがなされ、ふんわりと、とろろがかけられた、繊細な一品。
日本酒にばっちり。
揚げたての「天ぷら盛り合わせ」。
山芋、ゴーヤ、なす、そして海老。
山芋のさくさくとしながら、滑らかな食感がおもしろく、ゴーヤの青々しさが香ばしくもあり、美味しい。
そして、海老も絶妙な揚げ具合。
添えられた、抹茶塩が又、質のよさを伺える。
こちらのお酒は、あと「想天坊」。よく冷やされ、爽やかなお酒で蕎麦前にとてもいい。
そして、「蕎麦の酒 蕎」。フルーティなお酒で、まるでジュースのよう。
いい感じになってきた辺りで、お待ちかねのお蕎麦。
ここの器は、本当に素敵なもので、揃いのどっしりとした陶器にすのこを敷かれて盛られる。
茨城 美野里産の蕎麦粉を、十割で打った蕎麦。
やや濃い目のクリーム色の蕎麦は、丹精に切り揃った勢いを感じる細切り。
まずは…と、手繰ろうとすると、濃厚な蕎麦の香りが漂う。
ん~…、芳しい。
口に含むと、しっとりとした腰の、もちもち感も感じる蕎麦。喉越しも爽やかで、かみ締めていくとこれも蕎麦の風味、後にはやさしく甘みを残していく。
つゆは、やや甘めのまろやかなもの。辛口のものが最近多いが、こちらの汁は、きちんと取られた出汁にきれいにまとまった甘みが、柔らかさを感じさせてくれるようで美味しい。
ナチュラルな蕎麦湯で薄めると、それがとてもよく感じられ、これまでの締めくくりとして満足させてくれる。
…と、うれしいデザートも♪
手作りの「杏仁豆腐」は、爽やかなほどよい甘さのさっぱり仕立て。
飲み食いしたあとの清涼感と、甘味で、やっぱりデザートはうれしい。
いやぁ、又格別の、楽しい夕べに 。
初めてお会いする素敵な方々とのお話も、又、温和で優しそうなご主人とのお話もとても楽しく…、
そして、素敵なお料理と共に、こういう空間で手繰れる蕎麦の幸せ。
ご招待して下さったM様、本当にありがとうございました。
いろいろ気を遣って頂きながら、素敵な初夏のひと時を、又すごせました。
素敵なお店だったし、今度は、ぷらり~と、友人と訪れることができるといいな
(でも、又迷いそうかも・・)
3週年を迎えて、これらますます楽しみな素敵なお店。本当にご馳走様でした~・・
*お品書き
せいろ 600円、辛味せいろ 700円、とろろ 750円、鴨せいろ 850円
かけ 700円、天ぷらそば 1,000円、天ぷら3点 400円、6点 600円
茶豆 300円、板わさ 350円、出し巻き 400円、鴨スモーク 400円など
想天坊、一の蔵 500円~
手打ち蕎麦「雨幸」
東京都練馬区向山3-26-2
03-3999-5059
11:00~14:00 / 17:00~20:00
火・水曜休
お店のHP
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それは、おひとりで?それとも、そういう会があるのかしら。
いつも何だか羨ましく読ませて頂いています。
雨幸さん、松葉づえで伺った、思い出深いお店です。
お休みされていたと聞いて足が遠のいていたのですが、私も行きたくなってしまいました。
コメント、本当に…、ありがとうございます。
強い風が吹くも 全然寒くは無い土曜日。
保谷スタート 豊島園ゴールのウォーキングに参加
背中の荷物には
昼食用にYukaさんのそば本も入れていざ出発。
こちらの店も候補にはしていたのですが
”ゴールしてからでは遠回りになるな”と考えつつ歩いていたら
なんだか近辺を通過する道順になっているではないですか!
ワクワクしながら 番地を確認しつつ歩き、
横道にそれて住宅街へ足をむけ無事到着
時刻12:30
混んでいるかもと心配しつつ玄関を開けると
丁度家族連れが出て行くところでラッキー
庭に面する部屋は 4人席の座卓が3つ。
以前はテーブル席だったけれど しばらくの休業期間を経て
再開する時に 開店当初の状態に戻したとか・・
奥にはテーブル席。
Yukaさんの本に掲載されていたことは ご存知無い様で
しばし本に見入る奥様。
あ 日本酒 一合でも樽仕立てで出てきましたよ。
板わさに添えられた ワサビはとても辛いけど美味しくて
これだけ日本酒がいけます。
(茎ワサビ や 洋ワサビも入っているとか)
壁には 19日(金)から 「桜せいろ」と貼紙がありました。
又 来たいです。
席数がそう多くないので、週末は混んでいるんだろうな、って思ってました。
ん?でもお近く?
すっごい、いいところにお住まいなんですね♪
はい。是非是非、今度は、「萬月」さんにも伺って見たいです。
いつも楽しく拝見させて頂いていましたが、久し振りにコメントさせていただきます。といいますのもこの「雨幸」さん、ウチから近いもので。が、いつも土日のため満席で諦めてばかりで・・・、いまだに頂いたことがありません(悲)。いつか必ず行きたいお店です。
そうそう、「庭の湯」近くの「萬月」さんは昨年のオープン当時からよく行っています。いつかそちらにも足を運んでみて下さい。
ぜひ!
この料理は、コース2,000円、というもので、特別なものじゃないです。
日によって、変わるかもしれませんが、普段でも食べられます。
いい、お店でした。練馬は、やっぱり深いです・・・
豊島園裏に住んでいた友人を送り、帰りがけに道に迷った挙句、電信柱にドアをこすって泣いた、悲しい思い出の場所なんです。
一年ほど前にカーナビ頼りで雨幸に辿り着いたのですが、付近に駐車場が見当たらず、入店せずに帰ってしまい、悲しい思い出を増やしてしまいました。
この美味そうな料理は、普段でも食べられるのですかね?
ぜひ、一度・・。
ちょっと遠いかしら。でも、大江戸線のバリアフリーは助かりました。。
「鳥のさえずり、風の音、時の流れ」
心に幸せの雨・・・なんて。
そう、くつろぎすぎてしまいそうでした。
はい、「萬月」さんにも・・。前の温泉も一緒に行けるといいのですが・・
はい、とっても優しそうな、温和な感じのご主人でした。お話も和やかで。奥様も素敵な方。そして、娘さんもかわいいんです。
私も、又伺いたいです。
そばも美味しそう。
落ち着いた空間で、美味しく頂けそうですね。
駅近くの「萬月」さんへも是非!
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