
それも・・、ずっと行ってみたいと思っていた渋谷のお店で、という事で、数日前からドキドキ。

渋谷の駅からかなり離れ、NHKの奥あたり。
通りから、ひょっこり入った横道は、薄暗く一見しては見つけにくいひそやかな小道。その奥にほんのりと灯った明かり。
かの、「竹やぶ」で修行された方が打つ蕎麦と、大人のための空間。
手打ち蕎麦と酒の店 「清山」
小雨降る中だったから、ブレブレ~っっ

ぼんやりと灯った入り口の両脇には、竹で囲まれた小道が続く。
その間に敷かれた石畳を歩くと、紺地の暖簾の掛かった、広い間口の引き戸。何も知らなかったら、到底蕎麦屋とは思えない、料亭?かのような、敷居高そうな店構え。
ちょっと緊張しながら、扉をくぐる。
ほぉ~・・ 、入ったそこは、シックにまとまった落ち着いた空間。8人がけの正方形のテーブルふたつシンと置かれ、そこはウェイティングルームなのだろうか、まるでショールームかとも思うよな素敵過ぎる空間。
そしてその横にある階段を降り、さらに地階へ・・。
階段を下りて目の中に飛び込んだ空間は、これ又意表をつく作り。
上階とは打って変わって、コの字型のテーブルがシンプルに置かれる。
すべての席が、カウンター仕立てになったもので、高めのテーブルにすっと伸びた椅子は、まるでバーそのもの。
テーブルの奥の壁際には、ずらっとお酒が並ぶ。
このテーブルに腰を落ち着けたけど、なんだか緊張~。
ま、まずは、と「生ビール」で乾杯を。
丹精に泡立てられたビールを一口飲んでみて、ちょっと驚いたのは、飲み口の淵がとても薄いこと。
これが、小さなことではあるが、ビールの泡の繊細さ、口の柔らかさを感じられて非常にうれしい。
そして、頼んだお料理の品々。
まずは・・、「酒のあて三点」
かりかりと炒られた蕎麦の練りこめられた蕎麦味噌、
そして、ふんわりと滑らかな山葵漬けに、山葵海苔。
「とうふ」と「玉子焼き」
一見普通の見た目の豆腐は、しっかりとしたもので味わい深い。添えられる薬味に、山葵が盛ってあるのがなんともうれしい。
玉子焼きは、蕎麦屋の汁で焼かれたもので、ほんのり甘めのふわりとした一品。お酒にうれしい、私の好きな味付け。一人前づつ取り分けて盛られて出されるのも、うれしい配慮。
そして、ずっと食べてみたかった「海老の味噌漬け焼き」。
さい巻き海老を、京都の粒味噌に漬け、香ばしく焼かれた一品。
海老の旨味に加え、味噌の濃厚さが加わり、表面の香ばしさがお酒をあおる。
お酒は、素敵なフラスコのようなデキャンタで。
この、シンプルすぎるくらいのすっきりとしたグラスの口も、驚くほど薄い。
これがお酒の繊細な味わいをより一層感じさせる。
「宝剣」「上喜元」などなど・・を頂く。
そして、そろそろお蕎麦を~・・と、掻き揚げと「せいろ」「田舎」をそれぞれ。
厚めのある掻き揚げは、さくさくと揚げられ、織り込まれた海老のプリプリが美味しい。添えられた暖かい天つゆの味もよく、とても美味しい掻き揚げ。
そして、まずは「せいろそば」。
丸い笊に盛られた蕎麦は、薄いグレーの丹精な細切り。繋がりも見事なエッジのきりっとしたもの。キリッと冷やされた蕎麦は口に含むと心地よく、その腰もいい。かみ締めると、蕎麦の風味の中に甘みの広がりを感じる。
さすがに、「竹やぶ」で修行されたという方の打たれた蕎麦。いわゆるダイニング蕎麦屋の蕎麦とは違う。あまりに素敵な空間だったので、これは期待していたが、それ以上でうれしいびっくり。
そして「田舎そば」
やや黒っぽい細切りの蕎麦で、こちらの蕎麦も切り口が鮮やか。
かなり粗挽きで、蕎麦の粒が豪華に散る。
が、見た目程ごつごつした感じはなく、滑らかな舌触り。こちらの方は、より香ばしい蕎麦の風味が加わる。
腰の感じも、のど越しもいい美味しい田舎蕎麦。
薬味には、たっぷりの大根おろしと、山葵、そして葱。汁は濃い目の、出汁の丁寧に取られた、やや甘みを含んだまろやかなもの。蕎麦とのバランスもよく、美味しい汁。
そして、頃合いをみて出された湯桶がなんて、素敵な鉄瓶。
どっしりと、深く黒いそれは、とても注ぎやすい。
形も美しく、おいておきたくなってしまうよう。
しばしさすりながら、注ぐと、これがまったりと濃厚なポタージュ仕立ての蕎麦湯。
こういう蕎麦湯は、ちょっと久しぶりだったので、非常にうれしい。汁を溶き頂くと、熱々でクリィーミーな蕎麦湯で、幸せな気分になってくる・・
蕎麦の風味も美味しくて、山葵だけでも楽しめちゃう。
すっかり大満足なひと時に。
終始丁寧な接客をしてくれるお兄さんは、かなり♪のイケメンだし、この雰囲気で、レベルの高い料理に、〆の蕎麦。
すごいお店だ、としみじみ。一人でぼおっとするには、ちょっと緊張しちゃいそうだけど、今日はとっても大満足。
本当にありがとうございました なんだか、ほろ酔いで素敵な夕べだったなぁ・・
*お品書き
せいろそば 900円、田舎そば 1,000円、とろろ 1,200円、おろしそば 1,200円
温玉せいろ 1,300円、おかわりせいろ 500円 かけ 1,000円
月見そば 1,100円、花巻そば1,500円 にしんそば 1,800円
豆腐 500円、青ぜんまい 600円、海老の味噌漬け焼き 900円 焼きみそ 500円
焼き鱧の板わさ 1,500円、焼き海苔 600円、酒のあて3点 800円、牛すじの蕎麦湯炊き 1,500円 そばがき 1,200円 棒にしん 1,000円
生ビール 500円、お酒各種 700円~
手打ち蕎麦と酒の店「清山」
東京都渋谷区神山町10-8
03-3460-0088
11:30~14:30 / 17:00~22:00(金土00:00)
日曜・祝日 休
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確かに・・、一緒に共有する人々で印象が変わってしまうと思います。
でも、いい時間をすごせられたようで、よかったです。夜遅くまで、というのはうれしいですよね。
色々と魅力的な品々が。中でも、山菜好きに嬉しい「青ぜんまいの煮物」、そして定番の玉子焼き等々。
友人はお酒は、全くダメ。私は、例によって酔っ払う前に、せいろをいただきました。その前に、お店の方のお薦めで「そばがき」もいただいていたので、香りは鮮烈ではありませんでしたが、キッチリとした仕事を感じさせるおいしさ。
客層が、まったりお蕎麦を楽しめる人種ではありませんでしたが、お店はおしゃれで好きでした。
その時、どの様な方々と空間を共有するかで、印象の異なる店になるでしょうね。初訪問は、「ついて」ました。
はじめは、よくある・・、なんて思って落ち着かなかったのですが、従業員の方々の対応もよく、寛いでしまえる不思議な空間。
何より蕎麦がしっかりとしたものなのがうれしいです。。
こういう店もあるんだなぁ、と思った気持ちがまたよみがえってきたように思えてきます。
ちょっとした、大事なときに行きたいようなお店・・。
私もまた、そういう気持ちになれたら・・、なんて、ちょっとさびしく思ったりして・・(^^;;
(大抵が、一人蕎麦屋酒だから・・・)
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