尾山台 「三稜」

2007/03/27/22:47  [東京の蕎麦]世田谷区 画像あり

大森の布恒さんで修行したというので、ずっと行ってみたいなあ、と思っていたところ。今日は近くまで所用で来たので、やっと訪れてみることが…。 

尾山台の駅を降り、石畳で作られた商店街を入ってすぐの、駅ほど近く。
まだ新しいお店だから、今流行りのモダンな作りかと思いきや、飾りたてのない普通の町蕎麦屋風情の落ち着いた店構えが、道沿いにさりげなく佇んでいる。 

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大きな紺地の暖簾がかかり、しかと「手打ち蕎麦」の文字。
入り口すぐに立てかけられた札には、「石臼挽き自家製粉」、「粗挽き蕎麦」の文字が書かれ、期待が膨らむ。
この落ち着いた風情はむしろ、誠実さをあらわしているようにも…futt.gif。 

尾山台 「手打ちそば 三陵」



扉を開けて入った店内も、あまり飾り立てのないすっきりとして落ち着いた空気。浮いた感じもなく、町のお蕎麦屋の空気で、しっとりと落ち着いている。
4人がけのテーブル席が4つ並び、真ん中に2人がけのテーブル席が3つほど。小さめながらも、小上がりの席が二卓。

午後1時過ぎ、平日の昼下がり。  
外の黒板に「ランチメニュー」なんて書かれていたし、お昼時には近くで働くサラリーマンなどで賑わったのだろうな・・・。が、昼過ぎた今時分は、その喧騒が一段落したかのような、しっとりとした空気。
ゆったりと遅めのお昼を食べるお客さんが3組ほど。

混雑もしていないので、窓に面して並べられた4人がけのテーブル席にゆったりと腰を下ろす。洒落た感じではないこの落ち着いた空気が、なんだかとてもゆったりとして寛いでしまいそう。
考えてみると…、布恒さん出身のお店はどこも大抵、しっとりとした蕎麦屋風情の店が多い気がするなあ。

さて、と品書きを広げると、いくつかの蕎麦のメニューに、料理もほどよく揃ってる。蕎麦には、「せいろ」の他に、期待の「粗挽き」の文字が見え、再びワクワク。

その前に…、ちょっとゆっくりさせて頂こうかな、と、お酒をぬる間でお願いする。
それと、天せいろを天先で…とも思ったけど、昨日、結構たっぷり掻き揚げを頂いたので、さっぱりとしたものが食べたい。
「蕎麦の実とろろ」や、見たことがなかった「抜きおろし」などのメニューにちょっと興味がそそられて…、お茶を持ってきてくれた花番さんに、この「抜きおろし」を尋ねると、大根おろしに蕎麦の実などの具が入ったものとのこと。
さんざ迷った末に、「蕎麦の実とろろ」を頼むことに。
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まずはほどなくして、王道のとっくりにぬる燗が。
薄曇りの天気模様に、なんとなく小寒く感じていた体になんだかとても優しい。
山形の「麓井」というお酒とのこと。

アテに出された、高野豆腐の煮物も上品な味付けで、なんだかしみじみと。


BGMもない、とても静かで落ち着いたお店。
ほっといてくれる心遣いがなんだか心地よく、ぼおっとしていると、「蕎麦の実とろろ」が出される。
「このそばつゆをかけて召し上がってください」と、醤油挿が添えられて。。

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見るからに滑らかそうなとろろの下には、蕎麦の実がたっぷり。とろろの真ん中には鶉の卵が落とされているのがとてもうれしい。
これを…、一気に混ぜ合わせ、出された蕎麦汁もたっぷりとかけて頂くと、いやぁ、しみじみとするように美味しい。とろろも丁寧に摺られたもので、非常に滑らかでふわりとした舌触り。鶉の卵がそれにコクを出し、時々あたるやわらかく炊かれた蕎麦の実のぷりぷりとした感触がとても楽しい。
いやぁ、これはぬる燗にいいなあ…heart.gif

とろろに、蕎麦の実にそしてぬる燗で、ほおっとしたひと時。
さて、そろそろお蕎麦を。
布恒さんの出身なので、花番さんに「粗挽きは太打ちなんですか?」と尋ねると、こちらでは細打ちとのこと。
細打ちの粗挽き m001.gifgif …と、きたら~♪ということで、すかさずそれをお願いする。

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蕎麦は、どこか年季の入った感じの四角の蒸篭に盛られて。

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細切りの蕎麦は、細かな蕎麦の星が表面をまんべんなく覆う、瑞々しさのある姿。
手繰り寄せると、爽やかさのある蕎麦の香りが、優しく立ちこめる。

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口に含むと、しっとりとしたたおやかな腰。噛み締めると、やや粘り感のあるもので、次第にやさしく溶けていくよう。激しいざらつき感はないものの、このぬめりのような感覚は好きなもので、これは美味しい。のど越しもよく、食べ進めるうちに蕎麦の風味が広がっていく。
これは、いい…hahha.gif

汁は溜り醤油をベースにした、しっかりとしたもので甘辛のバランスがいい。ちょっと漬けて食べる感じが丁度よく、この蕎麦との相性もぴったり。
薬味の山葵も瑞々しくぴりりっとした後に甘みが感じられる、上質なもので、葱のあつらえも丁寧。

優しく白濁した蕎麦湯は熱々で、たっぷりと頂き…すっかり満足。

花番さんの対応もよく、ここもいいなあ~。
駅ほど近くというのもうれしいし、この「粗挽き」はかなり気に入っちゃったし、こちらの「せいろ」も頂いてみたい。
それと…、やっぱり「抜きおろし」は気になるところ。。

「まだ、ランチ大丈夫ですかっっ?」と駆け込んで入ってきたお客さんと、入れ替わりに席を立ち…、

ごちそう様でした~ hahha.gif


*お品書き
せいろ、粗挽き 700円、おろし、ごまだれ 850円、納豆 1,000円、鴨せいろ 1,200円、天せいろ 1,400円、かけ 700円、とじ 850円、山かけ、かしわ 900円、カレー南 950円、にしん 1,100円、鴨南 1,200円

焼き味噌 300円、そば豆腐 400円、蕎麦の実とろろ 500円、板わさ、抜きおろし 600円、にしん棒煮、野菜天だね 650円、玉子焼き、鴨の燻製 700円、かしわのくわ焼き 800円など
麓井 550円、明鏡止水 800円、黒龍 1,000円



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「手打そば 三稜」

世田谷区尾山台3-34-3
03-3704-8262
11;30~14:30 / 17;30~20;30
土曜定休



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