この土地を離れてすっかり一年が経ってしまった。
所要で近くの駅まで来たので、久しぶりに千歳烏山に寄ってみる。
なつかしい商店街。
お気に入りだった八百屋さん、焼き鳥屋さん、お惣菜やさん・・・みんな健在で、どこか遠く懐かしい気分だったのも、ぷらぷらと歩くうちに次第に薄れ、すっかり以前の気持ちに戻ってくる。
街って不思議だなぁ・・・

ここそこと確認するかのように軽く歩き見て時間をちょっと外し、さてさてと南口すぐのお店へと足を向ける。

「そばきり 典座」
ごちゃごちゃした細い路地沿いに、変わらずそこだけふっと切り分けたような、落ち着いた風情のシックなお店。
ん~・・、ここは2年ぶりくらいかなぁ。。
お店の前には、品書きが立て掛けられ、丹精に書かれた文字に目を落とす。・・・と、
残念っ、
筍ご飯は終わっちゃったんだ~。
でも、この「穴子蒸しご飯」っていうのも良さそう♪。
以前何度か訪れたことがあったけど、考えてみたら「ランチセット」を食べた事はなかったなぁ。
今日は、これを食べてみようかな
緋色の暖簾をくぐり、しっとりと照明を落とした店内へ・・・。
午後1時もとうに過ぎた昼下がり。ちょこっと見やる店内はなんとっ、満席。
すぐにお母様(?)が見え、「すぐ空くと思いますのでちょっと待ってて下さい」とのこと。
す、すごい・・。すっかり人気の繁盛店。いくつもの雑誌に載っていたりしたんだから当たり前か。。
と思いつつ、入り口近くのベンチでしばし待つ。
ほどなくして、空いた席に案内されやっと腰を落ち着ける。
すぐに出された煎茶がとても美味しい。
上品でシックな和の空間。ご近所の方々が多いと見られる客席は、昼時とあって女性のグループがほとんど。
テーブルに置かれた品書きは、入り口に置かれたものと同じ、ランチとお蕎麦のメニュー。ちょっと何か・・・、とも思ったけどなんとなく昼酒の雰囲気もなかったので、ここは大人しく(?)ランチをお願いすることに。
お願いすると、あまり待たされずに盆に載せられた豪華なランチのセットが置かれる。
なんだかとっても豪華な数々。こういうちょこちょこっと盛られたお料理は、見た目も美しく見ているだけでもうれしくなってきちゃう。
猪口を上手く使って盛り付けられた、先付け(かな?)の小鉢三点。
上品な「サツマイモのレモン煮」、「鳥?鴨?のマリネ仕立て」に、「筍の山椒風味キンピラ」。
こんなの前にしたら、美味しいお酒を頂きたくなっちゃう~・・
そして、ドレッシング代わりに煮こごりを散らした「蟹のハーブサラダ」。蟹、ハーブ野菜、そしてこの煮凝りの上品でありかつ、深みのある味わいが絶妙なバランス。これは美味しいっ
汁ものは、「鳥つくねの吸い物」。
ふわっとした・・・、というよりはしっかりしたつくねだが、その味付け具合はとてもいい。汁は、これ又上品なもので京料理を思わせるもの。
そしてメインのひとつの「穴子蒸しご飯」。
蓋を開けると、ほわ~っと湯気がたつ。うれしく箸を入れると、キャベツが敷かれて蒸されたふっくらと味付けされたご飯。その上には身のふんわりとした穴子が乗せられ、切り分けつつ口に運ぶとこれが旨いっ
炊きこめられた具のエリンギの歯ごたえもよく、これは本当に美味しい一品。
そして、この一の膳(?)を食べ終えたのを見計らって、「せいろ」が出される。
さすがに蕎麦はかなり小盛り。それでも、丁寧に陶器の器にスノコを敷かれて盛られた蕎麦は、グレーの蕎麦の欠片が豪華に散った細切りのもの。確かにこれもかなり細切りのうちだが、以前の超!細切りの蕎麦から比べると太くなってる・・・!
手繰り寄せると、ふわり~と蕎麦の香りも豊かに漂う。口に含むとしっとりとした心地のいい腰。噛み締めるとこれも満足な蕎麦の風味がしっかりと広がっていく。それに何より、以前とても気になった、すぐに蕎麦同士が絡まりダマになってしまったものが、今日の蕎麦には全くそれがない。十割の蕎麦だが、もそもそとした印象もなく、喉越しの爽やかさもあり、これは美味しい。
汁は、出汁を根底でしっかりと支えているような旨汁。だが、この蕎麦にはやや弱いくらいの、薄めのもので、これは相変わらずどっぷりつけるタイプのものなんだろう・・・な。
終始、箸の進み具合に気を配ってくださっているようで、食べ終わる寸前に出される蕎麦湯は、熱々のポタージュ仕立て。
白濁した蕎麦湯を、汁の入った蕎麦猪口に注ぎやさしくかき混ぜて頂くと、改めて汁の奥の深さを感じさせられる。
これは・・・、「かけ」も食べてみたいなぁ。
久しぶりに伺い、初めてお料理も頂きこのお店が人気である事を、しみじみと納得させられた思い。後からも、次々とお客さんが訪れ、なんと2時になる前に蕎麦も売り切れになってしまったほど。
いやぁ、美味しかった、と以前の記憶と反芻しながら満足な思い。
お昼には、一品料理を出していないみたい?だし、これは夜にもゆっくりと訪れたくなってきてしまう。それに・・、お蕎麦をもう少し頂いてみたかったなぁ~・・・
花番さん、調理の男の方々、皆笑顔での対応も心地よく、この土地を離れてしまったことがなんだか惜しく思えてくる。
お蕎麦屋さんも、日々変わっていることをしみじみと感じながら、
ご馳走さまでした~
うふふ。。又!来ようっと・・・♪
*お品書き
ランチ 1,200円
せいろ 735円、ぶっかけおろし、ごま汁 840円、揚げ花 945円、つけとろ、もずく 1,100円、天ぷらせいろ 1,470円、鴨せいろ 1,365円、きのこそば 1,000円、もずくそば 1,100円、山かけ 1,250円、かきそば、ゆばのそば 1,300円、鴨そば 1,350円、掻き揚げ天そば 1,400円、小天丼 375円
「そばきり 典座」
世田谷区南烏山5-17-10
03-3309-6754
11:00~14:30 / 17:30~22:00
水曜定休
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ちょっと前までは、もしかしたら何度かすれ違っていたかもしれないです(^^)。
今思っても大好きな街でした。
典座さんは、当時の極細の蕎麦がちょっと気にかかって、あまり足を運ばなくなってしまったのですが、久しぶりに訪れたお蕎麦はとてもよかったです。
かけも食べてみたいので、又伺いたいな・・・と思っているところです。お料理はさすがですよね。
今度は加賀さんと合わせて行こうかしら(^^)
おかゆさんのブログもとても素敵!
本当に行動範囲が似てる・・(^^)と、私も参考にさせて頂きたいです。
(広味坊の坦々麺は私も大好きです♪)
いつも楽しく拝見させていただいてます。
典座は、私も大好きな御蕎麦屋です。
あのポタージュ蕎麦湯は、大好物です。
以前は、温蕎麦用の蕎麦で「鴨せいろ」を注文するのが定番でしたが、最近は冷蕎麦もやや太めになり、それはそれで美味しいなぁ...と。
一品料理も、温かいもの、冷たいもののバランスを見ながら提供してくださる心配りに、仕事帰りの体も癒されるってものです。
以前は、お近くにお住まいだったとか。
私は現在、チトカラ在住です。
この蕎麦屋から離れられそうもありません。
行動エリア(武蔵野中心)が似ているので、もしかしたら、どこかでご一緒させていただいているかもしれませんね。
これからも蕎麦ブログ楽しみにしています。
私も、これまでに何度か足を運んだことがあったのですが、いつも「せいろ」のみだったので、初めてでした。
(以前は、蕎麦の量が少ない・・と聞いて、ランチにしていなかったんです・・^^;;;)
お料理のどれもがレベルの高いもの。
これは夜のコースを取っても、十分楽しめるだろうな、と思いました。
蕎麦は、そ、それは細切りには変わりはないです・・(^^;;
でも、以前の、ちょー細きりに比べ、今は、細きりくらいの、ちょっと太めになりました。
それまでの「かけ」を頂いたことがないので、なんとも申し上げられないのですが、せれでも、以前のすぐくっついてしまった蕎麦ではないのは確かです。そして、蕎麦そのものをさらに感じる事ができて、今の蕎麦の方がずっと私は好きだと思いました。
ちょっと・・・、
遠いかもしれませんが、こちら方面にお越しになることがあれば、寄ってみて下さい。
うふふ、ご一緒したいくらいです・・・(^^)
立派ですね。
行かないと駄目ですね。
皆さん、蕎麦が前より太めになった
の感想ですが、
それも一度食べてみたいですね。
前は温蕎麦がやや太めなものでした
が、そのくらいなものなのでしょうか。
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