中目黒から山手通りに沿って歩くこと数分。ここあたりかな?と目星をつけて曲がったわき道にふっと、素敵なお店が目に飛び込む。

暖簾がやさしく風にそよぐ様は、軽井沢の景色を思わせる・・・。
ここだ・・、「手打ち蕎麦」のしっかりとした看板が。

すぐに向かいの通りに渡り、お店へと向かう。
植栽の飾り具合、そして、しっとりとした木のあしらえ。そして、なるがままになびく麻の暖簾・・。
爽やかさと落ち着いた空気が外にまで流れてくるよう・・。
中目黒 「手打ち蕎麦 驀仙坊」
思っていたよりもずっと素敵な佇まいに、どきどきしながら開けはなれた扉に掛かった暖簾をくぐる。入るとすぐに、年代ものの茶箪笥が置かれ、その後ろには広々とした空間が・・。優しい色合いの木で覆われた店内は、外の強い日差しを遮り、しっとりとした昼下がりのゆるゆるとした空気が流れている。この時間、先客は一人のみ。空いていた壁際のテーブルの椅子を引く。
腰を下ろして周りを見渡しながら、あまりにもゆっくりとした空間に改めてほっと。。ゆったりと、贅沢に配されたテーブル席。すぐ外の大通りの喧騒などどこにも感じられない、ゆったりとした空気の流れ・・・。
これは、ちょっとゆっくりと寛いでいたい。
置かれている品書きを見つめていると、お茶とおしぼりを出され、無意識にお酒をお願いしてしまった。珍しい名前が並ぶお酒の品書きから、栃木の「鳳凰美田」。
お昼でも、すべてのメニューがあるのはうれしいなあ、などと思っていると、程なくして目の前に変形した素敵なグラスに注がれてお酒が置かれる。
純米とのことだが、ふわりとしたフルーティーな爽やかさのあるすっきりとしたお酒。口に含んでいるとふくらみもあり、これは美味しい・・・
あれこれと迷った中から「蕎麦豆腐」をお願いし、出された品にこれもびっくり。
丸い形のそば豆腐で、それが四つに切り分けられ、上には山葵にネギ、そして糸がつおがふわっと飾られている。蕎麦汁がたっぷりと貼られた中に置かれ、周りにはこれもカリカリと香ばしい煎り蕎麦が散らされて。このスタイルだけでも意表をつかれたのに、箸を入れてさらにびっくり。もちもちっとした感触で、口に含むと・・、こ、これは、いわゆる「蕎麦豆腐」というよりは、「そばがき」に近い!
もちもちさが溶けるようにほどけ、しっかりと蕎麦の風味が流れてくる。なんだろう、この蕎麦豆腐、すごく不思議で非常に美味しい。
これは・・、こちらのお料理、いろいろ食べてみたくなってきてしまう。
しかも、この雰囲気がなんとも言えない。花番さんたちがちょこちょこと出入りすることもなく、何てのんびりとさせてくれるんだろう。時の経つのを忘れてしまいそうなゆっくりとした空気が、時折そよぐ風と共に流れてる・・・。
と、ぽつりぽつりと一人客が訪れ、それぞれに皆ゆっくりと寛ぐ様子が又いい。
ずっと居続けていたい気持ちを抑え、次の約束の時間もあるしそろそろお蕎麦を頂こう、と再び品書きを手に。
食べてみたくなってしまう、独特の品書きが並ぶので迷ってしまうが、やはりまずは「せいろ」を・・・。「せいろ」の文字の下に書かれた「玄蕎麦挽きぐるみ」の文字に期待が高まる。
程なくして出された蕎麦は、色の黒い、まさしく挽きぐるみ。エッジも立ち瑞々しい細打ちの蕎麦。
顔を寄せるとふわりと蕎麦の薫りが十分に立ち込め、はぁ~と、うっとり
口に含むと、思ったほどごつごつした感じはなくなめらかな表面の蕎麦で、かみ締めると心地のいい腰具合。もちっとしたものを感じ食べ続けるとじわじわと蕎麦の清々しいような風味が次第に広がっていく。これはいい。
鰹の出汁が上品に香る汁はまろやかな汁。濃さ、辛さのバランスもよく、蕎麦に絡まりさらに旨さを引立ててる。美味しい・・・
この雰囲気にこの蕎麦、しかも4時までやっているなんて、なんて貴重なお店・・・
すっかり気に入っちゃった。
油揚げ、なす、鳥、きのこの温かいつけ汁の「山家」や、名前の「驀仙坊」(山菜、辛味大根、鰹節、かいわれ)なんかも食べてみたいし、これは通ってしまいそう・・
さらりと白濁した蕎麦湯をゆっくりと最後に頂き、大満足でお店を後に。
こんなお店が駅ほど近くにあったなんて・・、もっと早くに訪れればよかったなんて思ってしまう。
思いがけずすごせたゆったりとした時間、そしてお蕎麦に・・
ごちそう様でした~。
まだまだ、素敵なお店はいっぱいあるんだなあ、とつくづく思わせられ、
なんだか・・・、うれしいな 。
*お品書き
せいろ 730円、大盛 940円、夢呆 990円、つけとろ 990円、山家、梅鉢、なめこおろし、納豆 1,050円、きざみ胡麻だれ、驀仙坊 1,260円、鴨せいろ 1,570円、天せいろ 1,890円、かけ 730円、きざみ、磯そば 890円、山かけ、鳥なん 990円、鴨なん、浮島 1,570円など
とろろ飯、鶏てり焼き飯、そぼろご飯、鴨焼きご飯、梅海苔ご飯、ささみ漬けご飯 550円
あさり佃煮、はぜ佃煮、ふきのとう味噌、蕎麦豆腐、山葵おひたし、なめこおろし 550円、鳥わさ、板わさ、わさび芋 750円、出し巻き 850円などなどメニュー多し
一の蔵、喜久酔、鳳凰美田、天賓一、魔斬、白岳仙、名鏡止水 700円~800円
「手打ち蕎麦 驀仙坊」
目黒区青葉台1-22-5
03-3792-8823
12:00~16:00 / 18:00~21:30
12:00~21:30(土曜)12:00~20:00(日曜祝日)
火曜、第2水曜定休
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痛み入ります…
そうそう、この蕎麦豆腐、すごいでしょっっ!
「梅鉢」・・、なんかちょっと興味が。
私が訪れたのは、とっぷり昼下がりの3時。
この時間はよかったです!
制覇・・、おつきあい致します!(^^v
確か…記憶に…蕎麦豆腐…と思い出しオーダーしてみると、これが大当たり。これはほとんどそばがきですね。こんなアプローチがあったんだ!うまい。
蕎麦はあえて「梅鉢」を。
汁ひたひたの冷かけと思っていたところ、上品な、私の味覚には「過ぎる」、汁がなみなみと注がれていてびっくり。(店内がわさわさして写真は取り忘れてしまった)
おいしく飲み干してしまったけれど、これは同じメニューの温そばの方が絶対おいしいと思う。
蕎麦も合格。蕎麦メニューも多いし、もっといろいろ食べてみたい店ですね。制覇したい!!
でも、私が入店したのは祭日の昼で開店時。目黒川散歩の人たちが入れ替わり立ち代り、観光地の蕎麦屋状態。
次は時間を考えて再訪してみるつもりな私なのです。
きっと、私だったら、やるせない気持ちが渦巻きながら、家路にとぼとぼと・・。
大好きな蕎麦屋だけに、とても悲しいことです。
でも・・、
きっと、彼らも、
もっと年を重ねたら、わかってくれるのかな・・・・・・・・・
と、思う他にはありません。。。
昨日の昼、ちょうど中目黒を通ることになったので、前にも寄って気に入った驀仙坊で軽くやりたいと、途中下車しました。平日のお昼に蕎麦屋酒をやろうというのですから、込み合う時間をはずして一時半ころ入りました。わたしの少し前を歩いていた十人余りの大学生らしい集団が一歩早く入ってしまったことに、悪い予感を感じながら暖簾をくぐると、彼らが真中ふたつの大きな卓を占拠して座っています。まわりの四人卓や六人卓も全部座っている。うろうろしていると、見知りおきになった花番の女性が端っこの六人卓にひとりで居られた若い女性に断って、相席にさせてくれました。蕎麦屋での相席は当たり前のこと。軽くご挨拶して座ったものです。
そこまでは良かったのですが、さて真中ふたつの大卓に陣取った集団の、やかましいこと、うるさいこと。どうやら酒盛りにだけはならない気配ですが、誰は何を食べる、磯そばとはなんだ、カレー南蛮は以前に食ったが美味かった、などと傍若無人の騒ぎよう。お陰で花番の女性と若い男の子もそちらに掛かりっきりになってしまい、注文を取りに来られない状態。相席の女性もゆっくり出来なくて、そそくさと発って行きます。ほかのお客にも伝染するのか、だんだんと騒がしくなってきて、いつもは小粋な気分のお店がいささか猥雑な雰囲気に。こちらも、もう店を出て「いしおか」か「夢呆」にでも廻ろうか、今日はあそこらは休みではなかったろうか、とまで考え始める始末。
真中の集団はひとしきり騒いで漸く注文を終わると、今度は入れ替わり立ち代り外に出て、電話をかけるは、煙草を吸いに出るは。そのたびに扉が開いたり閉じたり、隙間が出来たままだったり。昨日も風の強い日でしたから、一番出口に近い卓のわたしは震え上がる思いでした。
時間の掛かった酒肴の注文は、三つのうち二つしかこないうちに、熱燗はお仕舞い。来ない三つ目のがんもどきの煮付けでこってり仕上げ、あとはあっさりとせいろを、と思っていましたが、空振りになって口寂しく、思わず「浮島」という名前の掻揚げそばを食べてしまいました。長芋の味噌漬けと野菜の胡麻和えは大層美味しく、掻揚げも結構な具合で、その点では文句なし。とはいえ、珍しく気分優れずに、ちゃんとした出来のいい蕎麦屋を後にしました。
気楽な伝統的和風ファーストフードだから、茶席のように畏まる事はありませんが、最低限のマナーをもってきて欲しいものですねぇ。
とっても素敵なお店です。
しかも、お料理がすばらしい・・。
ぜひぜひ、いろいろ試してみたくなっている私です。
きびやさんは・・、
もおおお、大好きなお店。
サンさんご夫婦も気に入ってもらえたのが、何よりもうれしいです(^^)。
そして、土曜日の午後、きびやさんで念願の「蕎麦やで一杯」が叶いました♪(*^^*)
主人もきびやさんをとても気に入ってまた来ようと話していました。
こんな素敵なひとときが過ごせたのもたくさんの情報を提供してくださっているyukaさんのブログに出会えたからでもあります♪
ありがとうございます♪
(つち江さんも閉まってしまったし・・・)
でも、こちらの16時までっていうのは、とてもうれしいですよね(^^)。
山手通を挟んで、左に東山織田、右に驀仙坊、いつも迷うんです。
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