沿道の紫陽花が雨に濡れていっそう色鮮やかで、癒されるよう。

丁度、何人か連れ添った女性客と入れ違いに、すっかり見慣れた扉を開く。
矢川 「素朴庵」
すぐに「いらっしゃい」と迎えてくれるご主人の笑顔がとてもうれしい。この天気だからか、私だけの店内でお茶を飲みつつ近況などなど・・。
ご主人もこの春に怪我をされ、それもあって定休日を変えたそう。
うーん、月曜日に定休日のお店が又増えちゃったなぁ・・・
でも今はすっかり元気な姿にほっと・・・。
と、奥様も出てきてくださり、あれこれとお話するのがとても楽しい。
それはそうと・・、ちょっと体力を使う用事をしてきたので、お腹ペコペコっ。久しぶりに奥様の「掻き揚げ」が食べたくなって、「小さめ」で作って頂けるかお願いすると(お蕎麦が食べられなくなっちゃうから)、「いいわよ 」と言ってくださり、早速お願いする。
・・・と、程なくして奥様がにこにこしながら、「まだ食べたことないでしょうから」と、小さい玉子焼きを出してくださるではないのっ
そういえばこちらで玉子焼きは初めて。ほっかほっかと湯気を立てて出された玉子焼きは鮮やかな黄身の色。こんもり大根おろしが乗せられ、切り口からは滴りそうなほどジューシーに汁が滲んでる。
口に入れると、ふっわふわの卵でほんのり甘めの味付け。それに優しい出汁の風味が交わりこれは旨いっ。お酒にもご飯にも合う、懐かしい気持ちになりながらも、とても上品な玉子焼き。これは・・、これまで食べた中でもかなりの上位!
・・・と、こんなの口にしちゃったら~
今日は、さくっと帰ろうと思っていたのだが、やっぱり頂きたくなってちょっとだけ、と。
思った通り♪
この玉子焼きはお酒に堪らな~い
で、すっかりうれしくなっていると、「掻き揚げ」ミニ も目の前に。
きれいに丸められ見るからにカラリと揚げられた掻き揚げ。上には、オクラと生麩の天ぷらが乗せられ、大葉が添えられている。
まず頂く生麩の天ぷら、これは絶品。いつも思うのだが、ここの生麩は本当に美味しい。お聞きするとわざわざ取り寄せているとのこと。なるほど・・。
生麩に感動しながら、惜しいように思える美しく揚がった掻き揚げを崩しつつ頂く。ほろりっ、ほろりっとこぼれ中からは立派な海老に、ごろごろといくつもの貝柱。きちんと全てに火が入りどれもこれもが非常に香ばしい。質の良さを伺える海老の旨さに感動し、玉ねぎなどの野菜のさくさくとした歯ごたえを楽しむ。
久しぶりに頂いた掻き揚げだが、これはやっぱり絶品。添えられた桃色の塩も美味しく、温かい天つゆと・・・と、交互に楽しみ、すっかり大満足。
さて、お蕎麦は・・と、再びわがままを聞いて頂いて、今日は「半かけ」と「半田舎」を。
琥珀色の透明な汁を一口頂くと、んん~っ と感じ入ってしまうくらいに美味しい~。上品で薄めのようでこれがしっかりと香る鰹の上品な出汁。体じゅうに染み渡るようなこのかけ汁は、他にないくらいの上等な汁。これに浮かぶ生麩がもちもちとすこぶる美味。
温かい蕎麦は二八で打たれたもの。これにもしっかりと蕎麦の星が散り、温かい汁に負けずに蕎麦をきちんと主張したもので、しっかり腰を残した蕎麦がいい。かけ汁とうまく絡まり、するすると入っていくもので、ここの「かけ」ははまりそう。
あまりに美味しくて、すっかりかけ汁まで飲み干してしまう。
やはり一度、1%単位で種物ごとに濃度を変えているという、きのこ蕎麦や、卵とじなども食べてみなくてはっっ。
一呼吸置いたところで、田舎蕎麦。切り口のエッジは相変わらず鋭く立ち、ピンと張った躍動感をも感じられる。挽きぐるみの蕎麦の表面にはびっしりと蕎麦の粒が覆う。
手繰り寄せると、途端に立ち込める深く焙煎したような香ばしい香り。
うっとりしながら口に含むと、ぎゅっと蕎麦が凝縮して繋がれたような弾力のある腰。かみ締めると、香りに劣らぬほど濃い蕎麦の風味がじんじん広がる。まるでこの蕎麦の粒が弾けて広がるかのようで、もう夢中で手繰ってしまう。
この時期だというのに、今日の蕎麦は又、香り風味と非常に豊か。白濁したまろやか滑らかなとろとろの蕎麦湯を頂きながら至福の心地・・・
すっかり長居をしての、奥様、ご主人を囲んでの話しなど心温まる得がたいひととき。
奥様のどこかかわいらしくおだやかで温かいお人柄が、ご主人を支え、二人揃ってのお店なんだなぁ、としみじみ思わせられる。
美味しいお料理に極上の蕎麦、そしてあれこれと話のできた素敵な時間、
今日も又、ご馳走様でした~
なんだか、ほおっと温かい気持ちになりながら、今日もいい一日だったなあ・・・。
「素朴庵」
東京都国立市谷保 6721-1
042-571-0019
10:00~15:00 / 17:00~20:00
月曜、第1,3火曜休
店内禁煙 Pあり
これまでの訪問
- 関連記事
-
- 矢川 「素朴庵」 (2008/10/31)
- 矢川 「志奈乃」 (2008/09/16)
- 矢川 「素朴庵」 山かけ蕎麦 (2008/07/25)
- 谷保 「きょうや」 (2008/06/14)
- 矢川 「素朴庵」 多摩の蕎麦を愛する皆さんと・・ (2008/04/25)
- 国立 「そば芳」 (2008/02/20)
- 矢川 「素朴庵」 新旧田舎蕎麦 (2007/10/12)
- 矢川 「素朴庵」 (2007/06/22)
- 谷保 「きょうや」 (2007/05/07)
- 矢川 「素朴庵」 (2007/04/09)
- 国立 「蕎盧庵」 最後の夜 (2007/03/17)
- 矢川 「素朴庵」 (2006/12/28)
- 国立 「蕎盧庵」 (2006/11/15)
- 矢川 「素朴庵」 (2006/10/18)
- 矢川 「素朴庵」 ・・・♪ (2006/05/04)
私は毎日お蕎麦でも、とっても嬉しいのですが、主人は蕎麦は週に1~2度くらいでいい。という感じですよぉ~(*^^*)>
夫婦といえども育った環境も違うし、共通点はあるものの、別々の資質を持っているのですもの♪
お互いの得意分野をそれぞれ楽しみながらも、たまにはお互いの好みを体験してみるのもまたひとつの刺激となって人生豊かになるものですよね~。
aizさんのコメントのように小学生の娘さんが素朴庵のお蕎麦に出会って、これからまたご家族で行かれることがあるでしょう♪そんな思い出があるからきっと大人になってもお蕎麦大好き♪になっていかれるのでしょうね~♪
yukaさんがお蕎麦好きになったのは?
私は・・・きっと山形に家族で帰るといつも美味しいお蕎麦を食べに行っていたからだと思います(^^)
コメント長々と続けてしまってごめんなさいm(,,)m
私の彼はあまり蕎麦好きではないので・・(^^;; 羨ましいです。
そうそう、いろんな蕎麦を食べての発見、出会いもあったりすると、やめられません(笑)
掻き揚げですね♪(^^)
主人は素朴庵のお蕎麦に出会ってお蕎麦の奥深さに驚いていました♪
主人にとっても素朴庵やよし木の田舎は人生初めての蕎麦に関しての感動だったようです(^^)あまり人に感化されない主人なのですが、お蕎麦を一緒に楽しめるようになった事がとても嬉しいです。
楽しみが増えたことはyukaさんや皆様のお陰です~♪
ありがとうございます♪
また、先日、お見舞い帰りに飯田橋の主水(もんど)という所をみかけ入ってみました。
お蕎麦屋さん、というよりもお料理屋さんなのか、お蕎麦のほうはきりっと冷えた江戸前のつるつるお蕎麦でしたが穴子などの天麩羅がとっても美味しかったです♪
知らないお蕎麦屋さんに入ってみるのも楽しいですね(^^)
私はそのずっと後に訪れていたようです。
ここの蕎麦は、たまりませんよね。本当に多摩地区を代表するお店とも言えると思っています。
ぜひ、今度は奥様の掻き揚げも食べてみてください。絶品ですよ(^^)
どうしてって!
金曜日11時過ぎに素朴庵に休みになった主人と二人で行ってきたのですもの!
うわーん。もう少し後に行けばよかった!
素朴庵のお蕎麦(もりと田舎)大盛で半分ずつ食べましたが、本当に美味しくて美味しくて♪がつがつ(^^;)がっついてしまったほどでございます。。。
そして蕎麦湯もとっても美味しい♪
蕎麦のポタージュってyukaさんがおっしゃるとおりで熱々なのが嬉しくって♪
奥様もとっても暖かい感じの方でした。
蕎麦の実を煮た小皿も出してくださいました。
主人ともども大満足でした!
あー。yukaさんに会いそびれてしまった。。。(といってもどの方かわからないまますれ違ってしまったかもしれませんね(^^;))
玉子焼き、めちゃめちゃ美味しかったです!今までなんで食べてなかったのかしら・・・。
(ついつい、蕎麦のことばっかりになっちゃっていたのかも)
娘さん、将来が楽しみですね♪
私も子供の頃から、父親に蕎麦屋に連れて行かれていたので、どんどん連れて行ってあげてください。
そうそう、ここの「かけ」絶品ですよ、ぜひ・・
この卵焼き最高に美味しいんですよね!
星がいっぱいのお蕎麦も目に毒です。(≧∇≦)ノ
初めて素朴庵に行った次の休日はどうしても家族にも食べさせたくなって、家族4人を連れて行き大好評でした。まだ小学線の下の娘(←蕎麦好き)なんか「何も付けなくても美味しいー!」(←生意気)と喜んでいました。
仕事に行く時いつも南武線の踏切を渡るんですが「あ~この線路は素朴庵に続いているんだな~」なんて思って渡っています。
→ yuka (04/11)
→ yuka (04/11)
→ yuka (04/11)
→ yuka (04/11)
→ yuka (04/11)
→ yuka (04/11)
→ chameleon_arms (04/08)
→ chameleon_arms (04/08)
→ 森のたぬき (04/07)
→ chameleon_arms (04/05)
→ chameleon_arms (04/05)
→ yuka (04/03)
→ yuka (04/03)
→ yuka (04/03)
→ yuka (04/03)
→ housepod (03/20)
→ yuka (03/19)
→ yuka (03/19)
→ yuka (03/19)
→ gun (03/15)
→ stk (03/12)
→ yuka (03/12)
→ yuka (03/12)
→ yuka (03/12)
→ gun (03/11)
→ 温泉の人 (03/10)
→ 温泉の人 (03/10)
→ yuka (03/01)
→ yuka (03/01)
→ yuka (03/01)