
石神井公園の路地裏に、周りに馴染みながら、しっとりと落ち着いた佇まい。
石神井公園 「手打そば 菊谷」
「いらっしゃいませ」と明るい声に出迎えられ、今日もすっと伸びたカウンター席の一つに腰を下ろす。
下栗の手挽きのお蕎麦・・と、はやる気持ちを抑え、ここに座ったらやっぱりちょっと頂いて行こう、と酒肴2品 お酒グラス2杯 もり蕎麦、デザートがセットになった、「菊酔ひ膳」をお願いする。
まずは、昼酒にぴったりと選んだ「豊の秋」と「上喜元」をグラスで頂く。
続いて、そば前にぴったりの小鉢二種が続いて目の前に出される。
まずは、ご主人手作りの「山葵の茎の醤油漬け」。
ほどよく出汁醤油に漬かった山葵は、しゃきしゃきとした歯ごたえを残してる。かみ締めると、優しくぴりっと利く山葵独特の風味がたまらない。
そして、小躍りしたくなってしまうくらいうれしい、大好きな菊谷さんの「穴子の煮こごり」。
よかった~、今日あったんだ
ぷるぷるの煮凝りの上品な味もさることながら、中には身のふわっとした穴子がたっぷり 。
と、美味し~いお料理にお酒を頂き、あれこれとご主人と交わす会話がとても楽しい。一緒に働いている杉山さんも、すっかり板についた様子で、ご主人と二人、ぴったりと息の合った様子は見ていても心地いい。
と、ゆっくりと堪能させて頂き・・、いよいよ楽しみにしていた石神井産下栗の手挽きのお蕎麦を。
頼むとまずは、蕎麦猪口と薬味の葱と大根おろしが置かれ、笊に盛られたお蕎麦が出される。
30メッシュのかなり粗めに挽かれ、外一で打たれた蕎麦は、蕎麦の粒が表面を贅沢に覆う粗挽きの蕎麦。その鮮やかな切り口からは穀物感がたっぷりと感じられ、見ているだけでうっとり。
見入りながら、手繰り顔を寄せる。
ふわ~と柔らかく香るのは、お日様を思わせる懐かしい日向のような、しみじみとした香り。その香りをもじっくり堪能し、口に含む。
しっとりとした口ざわり。荒々しさというよりは、優しくかすめる蕎麦の粒の欠片の感触を感じ、かみ締めると、これもゆっくりと野の原を思い出させるような穀物の風味が口に広がる。そして、後にはじわりと濃い甘みを残していく。
さらに食べ続けていくと、香ばしさをもがじんわりじんわりと広がっていくのがたまらない。たおやかでしなやか、それでいて穀物感をめいっぱい感じられる蕎麦がとても美味しい
石神井でもこんなお蕎麦が栽培できるとなると・・、なんだかうれしくなってしまう。
汁も出汁が丁寧に引かれすっきりとしながらも、まろやかさがありこれも美味しい。
と、いつまでも食べていたいようなお蕎麦だったけど、そう多くは収穫できないそうで、これは限定の蕎麦。80グラムの盛りとのことだったので、利き蕎麦に変更してもらい本日の十割蕎麦も半量お願いすることに。
出された十割蕎麦は福井の蕎麦。
鮮やかな緑色の細切りの蕎麦は手繰るまでもなく、うっとりするような濃い香りが途端に立ち込める。
口に含もうと手繰り上げると、透かされた蕎麦にはこれも透明な蕎麦の粒がびっしりと。口に含むと、やや粘りのあるしっとりとした口当たり。といって、歯ぬかりするのではなく、なんとも不思議な感覚。噛み締めると、穀物の焙煎したかのような、だだ茶豆に近いような非常に濃い風味が口中でいっぱいに広がる。熟成していないとのことだが、この風味も又とても濃い。
食べ終えた頃合を見て出された蕎麦湯は、しっかりと白濁したとろとろの蕎麦湯ポタージュ。
滑らかでクリーミィな熱々の蕎麦湯を注ぎたっぷりと頂くと、ほおっと満足した思いに浸ってしまう。
酔いも薄らぐような、余韻に浸るひととき。
・・・最後のデザートの「蕎麦茶プリン」まで 。
カリカリに炒られた蕎麦の実がトッピングされた「蕎麦茶プリン」は、割合をやや変えたとのことで、さらに蕎麦茶の香ばしい風味が濃く、プルンップルン。甘さもほどよく、口の中でとろ~んと溶けていく美味し~いプリンで、やっぱりこれ、大好き
と、すっかり満喫しつつ、少々お話なども・・・。
お聞きすると、来月からはメニューもいろいろと変わるそうで、それがとても興味深い。
絶えず進化し続けているような菊谷さんに、目が離せないななぁ、などとしみじみと・・・。
今日も又、ご馳走さまでした~
すっかり心地のいい午後のひと時に、極上の蕎麦が食べられたことに、
心もお腹も満たされて・・・
-掲示板-
現在パートさんが辞められてしまったそうで・・・、
「蕎麦職人見習いもしくはパートさん募集中」
だそうです 。
*菊酔い膳 (酒二種、小鉢二種、蕎麦、デザート) 1,780円
「手打そば 菊谷」
練馬区石神井町3-27-16
03-5393-6899
11:30~14:30 / 17:30~21:00
(日曜 11:30~17:00売り切れ)
月曜定休 禁煙
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行かれたら、感想聞かせてくださいね。
絶対訪問しま-す!!!
笊?うふふ、そう言われると、笊も美味しそうですね(^^)
ちょっとでしたが、お話させて頂き、この偶然に感謝です。
これからもよろしくお願いいたします。
さぬきうどんも、是非食べてみたいです。いつかさぬきに行きたいな・・。その時は、よろしくお願いいたします。
そうそう、菊谷さんのこの「菊酔ひ膳」はオススメです(^^)。
私の方こそ、これからもよろしくお願い致します。
牡丹さんも、石臼を回されるんですね。
今日あたり、回されるのかしら・・・(^^)。牡丹さんのお蕎麦も、とっても食べてみたいです。
きっと 素晴らしくおいしいのだろうと、行ける日を楽しみにしています。
それにしても、yukaさんは 本当に「ざる」まで美味しそうです。紹介されるお蕎麦屋さんもお喜びでしょう。
隣で菊谷さんとお話するのが聞こえていたのですが、あまりもディープ
な蕎麦の話がはずむので、【流石、江戸は蕎麦の本場だけあって、
こんな綺麗な女性でも蕎麦好きなんだなぁ~ 】と関心してましたが、
なんと【つれづれ蕎麦YUKA様】と聞いて驚いたと言うか納得でした(笑)
菊酔い膳。デザートまで付いてお徳ですね。これにすればよかった。
福井の蕎麦の10割は、もちもちを通り越してネットリと言う表現の方が
合ってる位です。(驚)
関西で言うと、翁系の蕎麦はどちらかと言うとネットリとしてますが、
菊谷さんの十割はその5倍ぐらいネットリとしていて味も濃厚でした。
いやぁ~良い蕎麦を食べました。 早速土産話に地元の蕎麦屋さんに
報告しました。
Blog楽しく拝見してますので、今後ともよろしくお願いいたします。
PS: さぬきうどんを食べに来られる事がありましたら、ご案内いたし
ますので、エン座さんにご一報ください。
福井の粉 もしかして もちもちしてませんでした?
丸岡という粉 もちっとしています。また味わってみたいという焦燥にかられてしまいます。
こういうインプレッションを料理に散りばめる裏方さまのご苦労にご馳走様と労いたくなってしまいます。
明日、臼を廻したくなってしまいました。
あ~あ~ああああ あ~あ~
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